「お祭り」
小さい頃は、お祭りが大好きだった。
縁日がたくさん並び、提灯が赤々と連なっている景色は興奮を呼ぶ。
たくさん買えなかったけど、何にお金を使うか散々悩んだ。
とにかく楽しかった。
それがいつからか興味がなくなり、足を運ばなくなった。
お祭りは地元の友達と会うことも多いから、
会いたくない時期にまず足が遠のいた。
友達も変わり、他に遊びに行く場所が増えていくと
さらに行く機会も減る。
行かなくなると余計に行かない。
そうやって時間が過ぎ大人時間が長くなると、
お祭りを見ると懐かしくなってくる。
行きたいと思うこともあるが、
友人も誘いづらい。
結局、今年もお祭りを横目で見るだけになる。
「神様が舞い降りてきて、こう言った」
たまには降りてきたくなるんだよ。
それがまたまたあなたのところだった。
これも何かの縁だ、
何か聞きたいことがあったら答えよう。
本当に神様ですか?
急に現れて、そう言われても。
ほぅ。
しかし、信じてもらうしかないが。
それは難しいですね。
まぁ、そう言ってても話が進まないですよね。
神様だとして。
たまたま、なんですか?
たまたま、だ。
じゃ、私の寿命とかじゃないんですね?
ああ。
あなたの寿命はまだ尽きない。
そうですか。
でしたら、その時が来たらまた降りてきてください。
その時は神様だとすぐに信じますので。
なるほど。
では失礼します。
私は自分の人生を進まないといけないので。
「鳥かご」
何か窮屈な感じがするでしょ。
かごの中に閉じ込められて、自由がなくて。
でもね、
考えみて。
外の世界は色々と危険なことも多いでしょ。
人間や他の動物たちもいるし。
何が起こるかわからないじゃない。
鳥かごの中にいれば、
危険を避けることができる。
だから安全な場所とも言えるんじゃない?
つまり、
言いたいのは、
物事にはたくさんの側面があるってこと。
見方を変えたら、短所が長所にもなるの。
だからもっと色々な面から考えないと。
そうでしょ?
そういうことだから、
私は行くわね。
それじゃ。
「友情」
親友だと思ってたのに。
と学生時代の友人Aから、
仲良しグループの残り3人に向けて言われた。
私達3人は思わず顔を見合わせた。
それからAと私達は距離を置くことになった。
たぶん遊びに行こうと誘ったのにAから返事がないので、3人で出かけた。
その後3人で遊んだことをAが知ったことでの発言だった気がする。
返事をしなかったのはAなのに
その発言は意味がわからず疎遠になっていった。
Aは一言話しただけで友達という区分にするタイプで、なかなかの身勝手ぶりを発揮していた。
親友だからとか、友達だからとか、押し付けられているようで苦手だった。
そんな経験があるからかあまり好きな言葉ではないし、友情を振りかざす人をあまり信用しない。
友情は漠然としていて、人によって基準もまちまち。
捉え方も様々。
だからこそ、大切に扱いたい。
言葉にしなくても感じられるのが
1番な気がするのだが。
「花咲いて」
咲けば、
いずれ散っていく。
美しく花開いていても、
いつかはしおれて、枯れていく。
いつも悲しい気分になる。
アーティフィシャルフラワーのように枯れない花もある。
でも花咲いたときの美しさは生花ほどない。
生きているから美しいのだと思う。
生きているから散っていく。
部屋に飾った花は
蕾から花開いて枯れるまで、その変化も見ている。
花咲いてから、終わりまで。