12/22/2023, 2:05:00 PM
あの子に振られた。
ずっと好きだった。
一目惚れだった。
高校1年のとき、知らない人ばっかりの新しいクラス。
そこで君を初めて見た。
美しかった。
いつも柚の香りを漂わせていた。
ずっと片思いして、
あの子を目で追いかけて、
柚の香りを探して、
気づけば高校3年生。
まぁ所詮一目惚れだしそのうち違う女の子に目移りするだろうと思ってた。
しなかった。
やっぱりあの柚の香りが心地よかった。
高校3年生、もう学園生活も終わる。
あの子に想いを伝えて、3年間の青春を華々しく終えようではないか。
大学で自慢できる素敵な、可憐な恋人が欲しい。
最近見つけた、柚の香りがするハンドクリーム。
思春期DKがこれを持ち歩くのは小っ恥ずかしい気もするが、今日はこの香りをお守りに。
想いを伝えてみよう。
振られた。
「ごめんなさい。」
その後の記憶はない。
後ほどどこかで聞いた話によると彼女には中3から付き合っていた恋人がいたらしい。
柚の香りを漂わせているのも、その恋人の趣味だとか。
振られた後の記憶は全くないが、
彼女が去った後もそこら辺に柚の香りが漂っていたのは覚えていた。
僕はその場で柚の香りのハンドクリームを捨てた。
柚の香りに恋したはずなのになぁ…
今では
大嫌いだよ。