6/13/2024, 1:02:35 PM
時を重ね、同じ色だった私たちは
いつの日にか違う色になっていた。
それでも同じ根本。
本当は違うのに「一緒だ」と触れ合った。
花は移り変わる。
季節が変わり花がしぼんだ頃、ようやく安堵した。
一緒にいなければ嘘を重ねることもない。
#あじさい
6/7/2024, 11:09:25 AM
ブザーが一斉に鳴った。
いつも通りの君の匂い
背中だって体の重さだっていつも通り
だけど、心臓の音がいつも早く聞こえる
こんなので助かったって嫌だ
「君を守らなきゃだから」
君は優しい
私達にこれから起こる
怖いことを見せないように
目元を隠した
#世界の終わりに君と
6/1/2024, 12:19:40 PM
雫は屋根の隙間を通り
袖口は柔らかく濡れていった。
寝静まったパーキングエリア。
遠くに光が見える。
あの人もきっとそのなかに。
雨足が強くなる。
ショーシャンクの空に
みたいにできたら
気持ちを洗い流せるんだろうか
#梅雨
5/23/2024, 11:04:13 AM
檻の扉は、はじめから開いていました。
すぐ私が逃げられるくらいの力で抱きしめる彼が
憎くて愛おしかったんです。
逃れられないのは私の方で、
なにか理由を探しては留まっていたんです。
#逃れられない
5/21/2024, 1:22:58 PM
カーテンレールが
涼しい音を鳴らして、
光がゆらめいた。
それは波になって押しては返し、
あなたの無防備な顔をやさしく撫でた。
あなたのまぶたをくすぐった。
起きてから3度目の電車の音。
そろそろ起きなよ、ねぼすけさん。
#透明