人づてに聞いた。
あの人は、会社を辞めたらしい。
関連会社ヘ異動した、とのことだった。
あの人が私の心に現れてくる。胸がざわつく。
もう会うことの無い人。そんな話一つで心が揺らぐなんて、でもそれは仕方がないことなのかも知れない。
完全にあの人を忘れてしまうには、思い出も共に過ごした季節も多過ぎる。
私の中に、いつまでも残る人。思い出は消え去ることは無い。
私は元気ですよ、と連絡先を消去してしまった今では、決してあの人に届くことは無いし、教えてくれた人に、あの人に伝えてほしいとお願いする気もさらさら無い。でも、本当は、心の奥底では、あの人に届いて……と思っているのだろうか。
いや、たくさんの思い出が、私の心にそう思わせているんだ。感傷的になるのは変じゃない。一つの話を聞いた、ということで、今日はもう寝よう。
「届いて……」
今日のテーマ、「七夕」だろうなと思っていたら、「願い事」だったか。
願い事…いっぱいあるなぁ。叶ったら、どんなに嬉しいことだろうなぁ…。
近所のスーパーで、ささやかながら竹が飾ってあり、客が自由に短冊を吊り下げられるサービスが実施されていて、何気に見ていたら、とある短冊が目に留まった。
「いつまでも元気で飲めますように」
これは、アルコールのことを言ってるんだろう(笑)と思うのは、自分が大人だからなんだろうな。
「願い事」
寄せては返す波。
海沿いに住んでいるわけじゃないから、久しぶりにその音を聞くと、やっぱり夏を感じる。
「波音に耳を澄ませて」
テーマは「青く深く」…イメージしたのは、海底だ。
このアプリを始めた日かその次の日か、「海の底」というテーマだったのを思い出した。どこかの海に郵便ポストが設置されているらしい、と書いた記憶がある。
海の底、か。なんだか神秘的な感じがするな。
「青く深く」
長く続いた雨も、最近は降ることが少なくなってきた。
梅雨の終わりが近いのかもしれない。
雲からのぞく太陽は、今までより燦々と輝いているように見える。
紫陽花の出番は、そろそろ終わりを告げそうだ。
今年も、また暑い夏がやってくる。
「夏の気配」