気温が30度を下回り、涼し気な風が吹き、
夜は虫が鳴いている。
秋の声がする。秋がやってきたことを告げている。
空は高くなり、うろこ雲が広がり、
夏は過ぎ去りましたよ、と優しい日差しが街を
包む。
以前にも書いたけれど、私は秋の晴れ間が苦手だ。
穏やかなその雰囲気が苦手。なんだか寂しく感じるのだ。
良い季節ですよ、とまた秋の声。
そうだな、猛暑で身体も疲れたし、のんびり過ごすことにしようか。
「声が聞こえる」
秋の夜長。あなたのことを考える。
夜はまだまだこれから。鈴虫の音を聴きながら、
あなたと過ごした時間に思いを馳せよう。
「秋恋」
私には、小学生と中学生の甥がいる。
初めての甥で、近くに住んでいることもあって、
赤ん坊の頃から世話をしたりしていた。身近な存在だ。
それなりに大きくなった。時間の経つのは早い。
その二人が、私の誕生日にプレゼントをくれる。
毎年ではないけれど(その時の気分で、かな)ごくシンプルな物だけど、とても嬉しい。
100円ショップの温度計に、グルーガンで造花をくっつけた物の時もある。金額の問題では無い。
今年は、絵を描いてくれた。
「誕生日おめでとう」の一文の周りに、アニメのキャラクターや、動物の絵が描かれている。
上の甥の絵は実物にそっくりだし、下の甥の絵は自分なりに頑張って動物を描いたのがうかがえる。微笑ましいものだ。
本棚の、ある一段は、もらった物を置くコーナーになっている。大切な場所だ。ここに置いてある物は、この先、捨てることはないだろう。そんなことはあり得ない。
「大事にしたい」
時間よ止まれ。
あなたがこの部屋を出ていってしまう前に。
「時間よ止まれ」
あの時の夜景、綺麗だったなあ。
見やすい方の席をすすめてくれてありがとう。
「夜景」