学生の頃、ある日、空に心を奪われた事がある。
真っ青で、雲ひとつ無い空だった。
なんて広くて青いんだろう。
その頃の私は、いろんな事を悩んでいた。
だけど、その空を見た時、一瞬悩みを忘れた。
そのくらい綺麗だった。
その時の感覚を、朧げながら覚えている。
遠くまで鮮やかな青が続いていた。
「遠くの空へ」
「また連絡するよ、って、いつ?」
そう聞けば良かった。
そうしたら、自然と離れたとしても、後々
モヤモヤを抱えることもなかったのに。
もう一緒にいなくなった人。
もう言葉にすることはできない。
「言葉にできない」
春にしては、ちょっと気温が高いかな?と
思う日もあるけれど、
青空が広がり、道端に綺麗な花が咲き、
暖かな光が溢れている。
まさに、春爛漫。
実はこの季節、私はあまり好きではない。
気候が良いのは嬉しいが、
環境が変わり、いろんなことがスタートする
それがあまり好きではない。
仕事柄、新年度になるたび、それまでの環境が
多少変わるので、そういう変化が得意でない私は
毎年少なからず苦労する。
早く慣れて、いつもの日常にしたい。
今日も良い天気だった。
車の窓を開けて運転した。明日もこんな感じで
運転したいものだ。
「春爛漫」
あの人に会えるのが普通で、
これからも変わらず会えると思うことに
何の疑いもなかった。
やがて、お互いの気持ちが離れていって、
自然と会わなくなったのが普通になって、
それぞれ別の生活を送っていくことに
何の疑問も生まれなかった。
「これからもずっと」は、
いつしか無くなっていた。
今、その一言を口にするとするなら、
「これからもずっと会うことは無いだろう」。
これからも、ずっと。
「これからも、ずっと」
これからは、お月様の出番です。
一日、燦々と輝いてくれて、お疲れ様でした。
ゆっくり休んで、また明日会いましょう。
「沈む夕日」