人間の本能だ。
現実だけを見て生きてはいけない。
架空の物語の中で、楽しいことをしたり、
攻撃を対象とする相手を作ったり。
そこで、自分の心の安寧を得るんだ。
自分を守るために、人は逃げるときがあるんだ。
現実だけを見て生きている人なんて、
いるのだろうか。
いるとしたら、相当メンタルが強いのでは
ないだろうか。
ある精神科医が書いたエッセイに、
こんな文章があった。
「私の所には、勝ち組と呼ばれる人たちが
来ます。勝ち組でいるのは、疲れるそうです。」
成功をおさめている人が、辛いことや苦しいこと
がある現実の世界で、もし逃避をしていたなら、
受診せずに済んだのだろうか。
私も、受診を続けているひとりだ。
成功をおさめている人間では無いけれど。
だけど、逃避をしないまま、心を病まずに
生きていけるとしたなら、
私は、そういう強い人になりたかった。
「現実逃避」
手紙というものは、なかなか捨てられないもの
だ。
転校したクラスメイトに。学生の時の恩師に。
地元を離れて就職した友達に。
結構、文通をしていた。手紙を送った時は、
返事が来るのが楽しみで仕方なかった。
手書きの文章は、その人となり、が出ているみた
いで、そこが魅力のひとつなんだろうと思う。
文字を間違えても直せるように、ボールペンは
使わなかった。
元気?仕事、がんばってる?
近況を伺うのに、書き始めはの一文は、いつも
こんな感じ。
いろんな事を書いた。いろんな事を返事で教えて
もらった。
思い出がつまっている手紙。あの頃が懐かしい。
「君は今」
昔、ドライブに行った時、雨が降り出し、
フロントガラスに雨粒が弾いた。
隣の彼と話をしながら、しっかりワックスが
かかっているなぁ、なんて思った覚えがある。
自分の車は、雨を弾かないから、
彼の車は羨ましかった。
そういう事もあったなぁ。
単なる思い出だ。
車、もう少ししっかりお手入れをしなきゃな。
「物憂げな空」
スーパーで、赤ちゃんを見かけた。
お母さんに抱っこされて、時々、首をめぐらせ
辺りを見渡している。
目が合うと、こっちをじっと見た。
思わず、顔がほころんでしまった。
しばらくこっちを見ていたけど、やがてプイッと
向こうを向いてしまった。
赤ちゃんの動きって、かわいくてどうしても目が
行ってしまう。
偶然にも、車が隣同士で帰る時も一緒になった。
連れの人に、抱っこされる赤ちゃん。
すくすくと元気に大きくなってね。
「小さな命」
Love Letter、Love Call、Love Song…。
いろいろあるなかで、「Love you」って、
何だか世界が違う気がする。
「あなたを愛します。」
簡単には口にしないような、特別な一言。
言う方も言われる方も、幸せになれるであろう、
大切な言葉。
でもそれは、「好き」も一緒か。
どっちも、言われたら嬉しいね。
「Love you」