Nanoniru

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8/22/2024, 4:34:17 PM

思い残し  
今日は、彼と別れてちょうど5年になった。哀しみと苦しみが交じる四季を過ごしたせいか彼のことも少し薄れていた。「今何してるのかな?」そんなことを考えながら海の近い桜並木の下を一人自転車に跨がって愛犬と走る。ここを通る度に、あの楽しかった4年間の記憶がじわじわと蘇る。
私の名前は、近江瑠衣現在独身6年目に突入した。今は、幼い頃からの憧れを叶えて小学校の教諭をしている。忙しいがものすごく充実している。あの日の後悔を胸にしまって、彼の事を待っている。私の待っている人、それは今をときめくHani&haniの蓮こと阿部蓮君だ。彼との出会いは、運命のようだった。彼がデビューする前からもっと言ってしまえば、事務所に入ったときから知っている。そんな彼と、ある日会ったのだ。私が、学校から帰ってきた時、まだ中学生くらいだった彼が、私の隣に引っ越してきたのだ。私は最初物凄く驚いた。彼が引っ越してきた次の日から一緒に登校するようになった。毎回のように海の近くを通って、でも彼にも仕事があるので 一人の時の方が多かった様な気がする。あの時はまだ、こんな未来が来るなんて想像していなかった。