嫌な予感しかしない。
正直人生に疲れてきている。職場では仲良かった人たちが次々と辞めていき、気づけば話し相手すらいない。
家では姑がガン無視し、目が合うと不機嫌な顔で舌打ちする。家事もしないし、子供の面倒も見ない。文句ばかり言って、ちょっとでも何か言えばキチガイのように怒鳴り散らす。
まじで人生間違えたよ。今後いい予感なんてちっともしない。
だったらいっそうのこと子供を連れて出ていこうかな。あとは転職だ。人間関係のよい場所へ転職。
離婚?
そこは悩みどころかな。
旦那は私の味方してくれるから離婚はあまりしたくない。でも旦那があのくそ姑を見捨てられないと言うならば離婚するしかないかもしれない。
この嫌な予感をいい予感になるように模索しているところだ。
光と霧の間で男はさまよい歩いていた。
どこへいけばいいのかわからない。
ただ霧の中を闇雲に進んでいるだけだ。
けれど、ふいに足を止めた。
霧の中だがなんとなく辺りが見えるのだ。
そうか霧の中にもちゃんと光が差し込んでいるからだ。
それに気づいた男は光に向かって走り始めた。
砂時計の砂がザーザーと音を立てて落ちていく。
その音は私たちの時間をたしかに動かし、残り僅かであることを教えてくれている。
だから、切ない。
砂がなくなっていくのを見るのは切なくて、ついまたひっくり返してしまう。
そして、またザーザーと時を刻み始めていく。
愛−恋=?
恋が愛の一部だとするならば、それを失った時何が起こるのだろうか。
恋愛とはべつの愛が残るわけかな。
「みんなーー。梨食べよう。梨」
そう言ってたくさんの梨を段ボールに入れてもってくると、皆が目を輝かせながらありがとうという。
もうな梨の季節だ。
毎年なのだが、うちの家で作った梨を段ボールにいっぱい詰めて部活の仲間に配るのだ。するとほとんどの子たちがものすごく喜ぶ。
「また梨ーー。お菓子とかにしてよお」
「なにいってんのよ。結局あんたが一番食べてんじゃん」
「そりゃあ、おいしいからにきまってるじゃない」
彼女は剥いた梨を頬張ってもぐもぐと美味しそうに食べてる。
悪態ついても食べてくれる彼女のことは嫌いじゃない。