4月になったら転校生が来るらしい。そんな話を耳にした私はどんな子がくるのだろうかとワクワクしていた。
男の子なのか女の子なのか。いい子なのか悪い子なのか。
女の子ならば仲良くなりたい。男の子ならばどうせならイケメンのほうがいいなあ。
そんなことを考えているうちに4月になり転校生がやってきた。
そして、私の人生が大きく変わることになる。
その手はまだ小さかった。
まるでお人形さんのように小さな手がぎゅっと抱きしめているのはこれまた小さなぬいぐるみだ。ければ、その小さな手からしたらなんとも大きなぬいぐるみだろうか。
こどもはそのぬいぐるみを片時も離さずにいる。どんなときもいっしょ。ずっといっしょにいたいのだと抱きしめて続けているのだ。
どれほどぬいぐるみは愛されているのか。
けれど、その小さな手が大きくなるうちにぬいぐるみから離れていくにちがいない。そういうものだと考えていた。 けれど、ぬいぐるみはそうならなかった。
小さな手は大きくなり、しわくちゃになるまでぬいぐるみとともにいたのだ。
「いっしょにいこうか」
「ずっといっしょだよ」
そんな会話をしてぬいぐるみはその人ともに旅だった。
彼らの小さな愛は永遠となったのだ。
突然旦那からお客さんを連れてくるという連絡があった。相手は会社の取引先の人らしくて、何かのおりで親しくなったそうだ。そのため、私たちの家で小さな宴会を開こうということになったらしい。
ちょっとまって
それは困る。
突然言われてもちゃんとしたおもてなしができるはずがない。
そういうと旦那は「気にしなくていい。ビールとちょっとしたおつまみさえあればいい」なんていうんだけど、そんなわけにはいかない。
だって取引先でしょ?
ちゃんとおもてなししないと今後の仕事に影響が出る可能性があるじゃないの?
もしもきちんとしたおもてなしをしないことによって仕事が破綻でもなったら一大事じゃないの。
そんなことになっても困るわ。
まだ小さな子供が六人もいるじゃない!
お金が必要なのよ!
よーし
お客様が満足していただけるおもてなしをするわよ。
私は腕をめくり、豪華な食事とお酒を用意することにした。
彼はずっと戦い続けてきた。どんなにつらくて悲しいことが待ち受けていたとしてもあきらめることをやめずに突き進んでいく。
なぜ彼のこころのなかにある焔が消えないのか。
なぜ倒れても立ち上がることができるのか。
疑問に思うことを投げかけみると彼は笑顔でこういった。
「そんなもの決まっている。あんたらみたいな信頼できる仲間がいるからさ。それに守りたいものがたくさんある。だから俺は強くいられるんだよ。だから、俺の中のみなぎる焔は消えない」
そういいながら、彼はその聖剣を天高く掲げた。
負けられない。
生きとし生けるものたちが幸せに暮らせるようにこの世界に宿る命の焔が消えないように彼は仲間とともに戦い続けるのだ。
ようやく涼しくなり秋風が吹き始めた。
赤や黄色に色づく紅葉たちを見ながら、もうすぐ冬がくるさみしさを感じられる。
もし願いがなかうならば、秋風が吹いているいますぐあなたに会いたいな。
また一緒に紅葉をみたいし、風を感じたい。