ほしのうみ

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2/12/2023, 4:11:17 AM

「ねーねー。私さ君のこと好きだよ?」
ふざけて言った。悟られぬように。
「なんだよ急に、ありがとう」
君は少し照れながら言った。

君は20歳。私は14歳。
恋愛はできない。
だって君が犯罪者になってしまうから。

「君はどう?」
目を逸らして聞いた。
「言えないよ。犯罪者になっちゃうぞおおお!!!」
君は手を大きく広げておちゃらけてみせた。
私は笑った。でも少し切なかった。

君なら犯罪ものりきって好きだと伝えてくれると思った。
君なら僕もって言ってくれると信じてた。
君なら、君なら、
頭の中がグルグルする。

「あーあ。もっと早く私が生まれてたらなあ。」
ぼそっと呟いた。
「あ、着いたよ。」
私の呟きは無かったことにされた。
でも、そんなことはどうでもよかった。
なぜなら目的地に着いたからだ。
そう、私の大好きな場所。
私と君が出会った場所だ。

「やっぱ変わらないねー。」
相変わらず草は生い茂ってベンチの周りだけ草が刈られている。そんなにロマンティックな場所じゃないけれど、私はここが大好きだった。

ここに来ると毎回君への気持ちが増える。押しつぶされる。
今日は一段と気持ちが溢れる。
でも本気で言っちゃだめだ。この関係は終わらせたくない。
苦しい、言いたい、言いたくない、苦しい

「ねえ。」
なにときみが言う。
「私本当に好きだよ。君のことが。」
ついに言ってしまった。言いたくなかった。でも言いたかった私の気持ち。

君は動揺していた。
まさにアタフタという言葉が合うだろう。

「えっとー。ありがとうね。んーなんて言ったらいいか分からないけど、、、」
君は言葉を探していた。
「まだ君は中学生なんだ。きっと1次の迷いだと思う、。あーでも、もし、大人になっても僕のことが好きだったら付き合おう。」
君は真剣な顔をして言った。

私は1次の迷いなんかじゃない本当に好きなのにという怒りも吹き飛ぶほど、最後の付き合おうが頭から離れなかった。
「本当に?」
「ああ。本当に。」
私はとても嬉しかった。
言ってよかったと本当に思った。
しかし喜びもつかぬ間、君が口を開いた。
「あ、こんな時に言うのもなんだけどさ。僕、海外行くんだ。約3年ぐらい。今日ここに来たのも実は別れを告げるためで、、、そのー、、、。」

私は嬉しさが半減した。
ああ、別れを告げるために来たのか。
私は出てきそうになっていた涙を抑えながら言った。
「じゃあさ!3年後にまた会おうよ!この場所で」
必死に堪えたはずなのに涙はでてきた。

「うん。そうだね。3年後にこの場所で会おう。」
君も少し涙を貯めながら言った。

「3年なんてあっという間だよお!」
私は強がって言った。本当はすごく長い。君と毎日会いたいし、海外に行って君に彼女が出来たりしたらどうしようと色々な感情が湧いてきたが、私は強がることしか出来ない。なので強がる。

「そうだね。毎日君を思えばあっという間かも」
君はおちゃらけて言った。

私は笑った。心から。
君も笑った。きっと心から。

私たちの笑い声が響く。

私は涙を拭って、元気よく言った。
「3年後この場所で会えたら!」