ようやく逃げられた
あんな地獄みたいな所絶対に戻らない
でも、これから帰る場所はない
『 ここで私は死ぬのかなぁ』
その時
『 どうした?大丈夫か?』
気がつくと下を向けていた私の顔にのぞき込むよう知らない人の顔が映っていた
『 うわぁあ』
『 おぉごめんな、ビックリさせたか笑
こんな時間に一人泣いている女の子がいるとビックリするよ』
〜〜〜〜〜
『 貴方が拾ってくれなかったら私は今存在してないですよね』
今日は私の人生が変わった日
感謝をしなくちゃいけない日
『 もう泣きません。あの頃みたいに弱虫では無いです』
泣かない、泣かない
『 私の事育ててくれてありがとうございました。
ゆっくり眠ってください。』
私は1人か。
『 人はいつか絶対にこの世から居なくなるんだ』
あなたの言う通りですね。
あんなに元気だったのに、人はとても虚しい生き物です。
『 愛してます』
聞こえるはずのない彼に私は”愛してる”それだけを伝えてこの部屋から出た
『 今日はなんだか、とてもとても。潰れそうなぐらい悲しい日ですが、
特別な夜でもあったのかもしれません 、笑』
#特別な夜
僕は音が苦手なんだ。
どこにいても全部の音が鬱陶しいと思ってしまう時がある
うちの家族は比較的仲がいい方だとは思うが、
喧嘩をする時はする
辞めてくれ。お願いだから静かにしてくれ
心の底からそう思っても何も状況は変わらない
だが、僕は音が聞こえることがどんなにいい事なのかを知ったんだ
耳栓を買って耳につけてみたが、無音で自分の心臓の音だけはよく聞こえる
この無音な感じ、
あ、そうか
『 海、、海の底のような、誰もいない悲しい感じの感覚だ』
#海の底
『 あのオススメの本ありますか?』
僕は今本を読むことにハマっていてオススメの面白い本を聞きまくっている最中だ。
『 ”君に会いたくて”とかどうですかね、とても感動するストーリーです』
『 感動系ですか、ありがとうございます。借りてみますね』
読んでいて気づいたが、この話の主人公、
僕に何もかも似ているんだ。
ん?僕が似ているのか?まぁいい
僕は気づいてしまった。
抑えていた自分の本当の気持ちに
僕はあの子に
あなたに会いたい
#君に会いたくて
僕は何もかもどうでも良くなってしまったんだ。
”頑張れ”
いつのまにかこの言葉にうんざりしていた。
『 あ、』
目の前の木の葉がひらひらとゆっくり地面に降りていった。
風は強いはずなのに
『 君もか。僕と同じだな』
その木は葉も何も無く
ただ静かに風に吹かれながら立っていた
#木枯らし
君は言うんだ
『 美しいってなんだろう。』
僕はもう知っている
そんなことを呟く君が1番美しいということを
#美しい