自分の人生の終点は自分で決める
周りの奴らなんかに決められてたまるか
僕は僕であるために生きる
さて、今日も今日とで終わりが見えない何が起こるか分からないレールを歩くとしますか
「失敗は許されない」
そんなときはあるかもしれない。
人間生きていればいろいろあるかもしれない。
ただ、すべて上手くいかなくてもいいと思うんだ。
だって人間だもの。
何でも上手くいく人なんていない。
この世界は誰もが平等になるようにされている。
今、苦しいこと辛いことがある人もそのことを乗り越えたらその分、楽しいこと幸せが待ってる。
大丈夫、人間誰しも完璧じゃなくていいんだ。
「上手くいかなくたっていい」そう思うんだ。
「蝶よ花よ愛しい子」
「親ばか?」
「違うわよ。それだけ大切で愛しい宝物なのよ」
そう言って私を見る目はとても優しかった。
この運命は
「最初から決まってた」
そのことに気がついたのは珍しく雲一つ無い青空が広がっていた冬の日だった。
「ちょっと、けい!」
「けい」とは僕の名前だ。そして僕を名前で呼ぶのは家族以外では一人しかいない。
のそりと机にうつ伏せになっていた重い頭を持ち上げる。そして持ち上げた頭をそのままキープしながら声の主を見上げる。
僕の前で仁王立ちしている彼女はクラスのムードメーカー的存在で僕の唯一無二の幼馴染みだ。成績優秀、運動神経抜群、容姿端麗。
僕とはなにもかもが正反対な彼女。別に羨ましくなんかない...はず。うん。
彼女の欠点は、嘘がつけないこと。
嘘つくのは基本的にはしてはいけないことだが、彼女は誰に対してもフレンドリーだ。フレンドリーなのはいいことだ。助け合える存在がいるということだからな。
ただ...いや、この話はやめておこう。そろそろ彼女がしびれを切らしてしまうからな。
改めて無意識に俯いていた顔を上げる。
少しイライラしている様子だ。
「けい!聞いてるの!?」
「...聞いてない。何?」
正直に答えると呆れたのか「はぁ」とため息を吐かれた。ごめんなさい。
呆れた表情のまま、一つ一つ丁寧に説明してくれた。
話してくれたことを簡潔に一言で言うと、
「大学何処に行くのかが決まっていない」
とのことだった。
「違うわよ!大学はもう決まっているわよ!」
「...まあ、今の時期に決まってなかったら大問題だよね」
「何でそのことが分かっているのにさっきの一言のなるのよ...」
僕たちは今高校三年の冬の時期。大学も決まっている人が大多数。もちろん僕も大多数の中の一人だ。頑張った。ものすごく。うん。
僕と彼女は何故か大学が同じだ。そのことを初めて知ったときはついつい驚きで夜しか眠れなかった。しかも両親は当たり前のように平然としていた。解せぬ。
だが、なんだかんだ言って少し楽しみだ。彼女も心なしか気分がよさそうだった。
「ねえ、けい。今度の木曜日空いてる?」
木曜日は確か何も予定はなく暇だった気がし、彼女の言葉に頷く。
「後少しで高校も卒業でしょ?だから、最後の高校生活の思い出として遊びに行かない?」
高校の思い出。体育祭や文化祭とは別のプライベートでの思い出。いいかもしれない。
だが、僕らは幼馴染みだ。高校生活の中でだったら何回か複数人で遊びに行ったこともあった。
「それは、クラスの人とかと一緒でしょ?あたしが言いたいのは二人だけの思い出をつくりたいの!」
彼女に先ほどのことを伝えるといろいろ説得されるようにあれこれ言われ、最終的に頷くことになった。
何故そんなに僕との思い出が欲しいのかは分からなかったが彼女が楽しそうにしているのを見て「まあ、いいか」という気持ちになった。僕は知らず知らずのうちに彼女を甘やかしていることにはこのときは気づきもしなかった。
そしてだんだんと迫ってきている運命の日にも...。
『ごめん。急用ができたの』
電話越しに言われたこの言葉。伝えられた日は彼女と遊びに行く予定だった木曜日の朝だった。
僕と彼女は朝九時から駅前に集合する約束をしていた。幼馴染みだから家が近いから迎えに行くと言うと待ち合わせをすることに憧れていたことを伝えられた。そうそうこういう機会もないしたまにはいいか、とまたもや彼女の意見を受け入れる。
そして今日の朝、集合時間五分前に集合場所に着いた僕に彼女から先ほどの電話の内容が伝えられた。
そして今に至る。
「急用?急用なら、仕方ないね。今日の埋め合わせはまた今度にしよう」
『...』
「?どうかした?」
彼女からの返答が返ってこない。その代わり電話越しに何やら誰かの声が聞こえてくる。
内容までは聞こえないが声の高さからして女子だろうと分かる。
通話を切らないことからまだ話すことがあると分かる。ただ、当の本人の声が聞こえない。
「...ひ」
『ごめん!えっと..き、切るね!本当にごめん!...ごめんね』
彼女に話しかけようとすると急いでいるのか慌てているのか分からないが早口に謝られ通話を切られてしまった。
スマホを耳から離し、通話が切られ真っ黒になった画面をみる。
そしてふと疑問に感じることがあった。
彼女は通話を切る直前に「ごめんね」と言っていたことだった。
彼女は通話中に何回か僕に謝ってきた。
一回目は急用ができて約束を守れなかったこと。多分三回目も同じ理由だろう。
二回目は途中無言だったことにたいしてだろう。
そして四回目の「ごめんね」。この四回目は先ほどの三回とは少し..というかだいぶ違った。声は弱々しく少し震えていた。まるで泣くのを我慢しているようだった。
彼女は小さい頃人間という生き物が怖かった。今では考えもしないだろう。
僕と初めて会ったときは彼女の母親のあしにしがみつき離れようとする素振りを見せなかった。
ただ僕もまだまだ小さく彼女の行動を見ても緊張しているとしか思わなかった。だから、早く仲良くなってたくさん遊びたくて朝から彼女の家に訪ねていた。
最初の方は距離を詰めすぎて泣かせてしまったりもした。その時は僕も泣かせてしまってパニックを起こしたりもした。
それでも僕は諦めずに彼女の家を訪ねた。そのおかげか彼女のなれてきて少しずつだったが話してくれるようになったときは思いっきり喜んで彼女を驚かせてしまったこともあった。ただただ、そんな些細なことでも嬉しかった。
彼女から家を訪ねできたときは驚きと嬉しさで泣いてしまったりもした。
そうしてめげずに頑張ったおかげか今のフレンドリーな彼女がいると言っても過言ではないと両親が言っていた。
だが、彼女は一つだけ昔から変わらないことがあった。
それは、自分一人で不満などをため込んでしまうことだった。
何故ため込んでしまうのか分からないがただ、これだけは分かる。僕では頼りない、役不足だということ。
あくまで自分がただ単に感じたことで実際のところは分からないが。
だからこそ自分から彼女に寄り添いに行くのも大切なのかもしれない。
今度会ったときに何か困っていることがあるか聞きに行こう。そう一人決意した。
今思えば、このときに彼女に電話をかけたら良かったのかもしれない...。
キーンコーンカーンコーン...
授業の終わりのチャイムが鳴る。
それと同時にうるさくなる教室。
僕はそんな中一人頭を抱えていた。なぜなら朝から彼女と会えていなかったからだ。こんなことあるかってぐらいだ。
彼女を探しているものの見かけることすらできないでいた。今までは彼女から僕の教室を訪ねていたため、彼女がよく何処に行くのかなんて分からなかった。今までの自分を恨む。ぐぬぬ。
そんな自分とは裏腹に教室の窓から見える空は雲一つ無い快晴だ。去年の冬はほとんどの日が曇りだったのに。
もしかしたら僕たちがもうすぐ卒業だからかな...なんて。
もしそうだとしたら最高の年でいい思い出になるな...と呑気に考える。
毎日が平和過ぎて平和ぼけしているのかもな。少しスリルがあったらいいのに...そう思っているときだった。
─きゃぁああああ!!!
廊下の方から悲鳴のような声が学校中に響き渡った。
教室内にいた人達は何事だと廊下に集まっていく。僕も同じように皆に続く。
そして、その日が来た。
僕は廊下の窓から見えた光景を瞳にした瞬間悲鳴のような声をあげた。
「ッ!!ひなたッ!!!」
そこからの記憶はあまり覚えていなかった。必死だった。彼女のもとに着いたときにはもう手遅れだった。
彼女の手は冷たかった。
それを肌で感じたときに気づく恋心。叶わないこの気持ちに。
泣いた。思いっきり。この恋が叶わないからではない。自分が鈍かった。自業自得だ。
ただ、何もできなかった。
気づけなかった。
後悔する。
あのときにこうしておけば...と。
だが、それはすべて過ぎ去った過去のこと。
今更後悔しても意味がなかった。
後から知った。彼女はいじめを受けていたこと。そんな素振りを見せない彼女は強かった。
今思い返せばいろいろなことが分かった。
だからこそ、前を向こう。
彼女との思い出が教えてくれたことを胸にしまって。彼女とともに。
「太陽」
その言葉を聞くと真っ先に思い浮かぶのが
「夏」「運動会」
だった。
運動自体が嫌いなのにどうしてだろうか。
国語の授業で短歌や俳句のテーマで春夏秋冬のお題があった。季節ごとに何があるかを書き出すことからはじめた。
春は入学式、夏は運動会(または体育祭)秋は月見、冬はクリスマス。
書き出すとこれらがあがった。
後からこう見ていくと夏は運動会という印象が強いなと思った。
自分の考えをまとめると「太陽=夏=運動会」で何故運動会になるのかというとギラギラ照りつける太陽の下、皆が楽しげにしてる印象が強いからだと思いました!以上!