♯4 花畑
私の地元ではひまわりの花畑が有名だった。
小さい頃は母が運転する車の助手席からひまわりの花畑をぼーっと眺めていたのを覚えている。
でも小さい頃の私はひまわりがあまり好きではなかった。
見た目がちょっと怖いって言うか…、大きいし、枯れてしまうとうなだれててキレイじゃない。
それから気づけば私も母になっていた。
息子が産まれた日の誕生花はひまわり。
好きではなかったひまわりだけど、今は怖いという感情もなくなった。
息子にはひまわりの様に大きく、強く育って欲しいと思っている。
そしてひまわり畑の様に、色鮮やかな素敵な人生を送って欲しい。
♯3 夜明け前
たまに夜明け前まで眠れない日がある。
夜って静かじゃない?
自分の気持ちを紛らわす周りの音がないから、モヤモヤしてる気持ちが爆発してしまって眠れなくなる。
周りからはガマンのしすぎ、思ってる事は言ったらいいって言われるけどそれが出来るならこんな自分になってないよ。
だから家族が寝静まってからリビングで1人自己嫌悪に陥ったり、嫌な事を考えてしまったり。
そして夜明け前。
そろそろ寝ないと仕事に響くと少し焦りながら寝室に向かい、私のベッドで気持ち良さそうに眠ってる可愛い息子の寝顔に癒やされ、そーっと頬を撫でて夜中の自己嫌悪を忘れようと息子を抱きしめやっと眠りにつく。
あぁ、すごく心地良い体温。
朝起きたらとびきりの笑顔で息子におはようと言おう。
そしてまた今日も1日を頑張ろう。
♯2 本気の恋
私だけの秘密。
今でも覚えている、あのの優しい声、暖かい手で抱きしめてもらうのが好きだった。
でも、お互い「恋人」になる選択肢はなんでか取らなかった。
お互い別々の人と結婚をして子供も産まれて、今は仲のいい友人。
住んでいる場所もかなり離れているから会う事もない。
だけどなぜか、私が落ち込んでいる時タイミングよく連絡が来る事がある。
ー元気にしてる?
ーうん!元気にしてる。そっちは?
他愛もない話を何通かやりとりして終わる。
けれど、それだけでも私の心は満たされる。
絶対口には出さないけれども、あの時のあの人を好きだった気持ちが甦ってきてぎゅーっと心が少し苦しくなる。
本気の恋。
けして結ばれる事はなかった切ない恋。
これからも友人というこの関係は変わらないし、変えるつもりもない。
私が生涯を終えるまでこの関係は続くだろう。
心の中の切ない恋心も残るだろう。
私がした本気の恋。
私だけの秘密。
♯1 カレンダー
カレンダーを見ると、息子が産まれてから何年、何日経ったのかをよく考える。
子供の成長は思っていたよりもあっという間で、日々色々成長している事に感心する毎日だ。
ついこの間3歳を迎えた息子。
イヤイヤ期真っ盛りで口も達者になってきている。
イライラしてしまう事も多いがやっぱり自分の子供だから、とても可愛い。
私はこの先もずっとカレンダーを見る度に、自分の息子の事を考えるだろう。
愛してやまない息子の成長をこれからも楽しみに毎日を過ごしていこうと思う。