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9/9/2024, 11:26:33 AM

一体何人の人間が俺を求めてくれているんだろう。
頭の片隅には、この疑問が残り続けている。全く関係の無いことを考えている時にも、至高の泉に欠片を投げ込まれたようにじわじわと広がるのだ。
そして、恐らく平均よりは多い数の人間が必要としてくれている。という結論に行き着く。

表に出る仕事を始めて10年が経つ。早くこの世界に飛び込んだ分、まだまだ時間は余裕はあるように感じる。金だっていくらかは溜まっているし、まだ安定している。

しかし、どうしても心が空虚である気がした。
全てが一番では無い。ただ真ん中でもない。満たされて然るべきだし、満たされない自分が何だか気持ち悪いだとか、醜いだとか、そんな風に自虐してしまう。

「あなたは世界に一人だけの人間です。」
「世界で一番あなたが好き。」

俺にはこういった有り難い思いの全てに応える自信はない。
世界に一つだけ。世界に一人だけ。言葉を聞くたびにいつも思う。世界に一つだけの物を愛して、手に入れられなかったらどうするのだろう。世界に一つしかないからこそ、世界で一番。と言い切ることができているのだろう。ということぐらいは分かっている。

余ってしまった人々はどうなるのだろうか。

そうやって悩み続けて、自分の世界に一つを見つけられない間が自分の華なのだろうな。とまた嘲って、いつか待ち受ける自分の最期に怯えるのだ。