始まりはいつも
始まりはいつも突然だ。
金曜日の放課後、部活に行こうと廊下に出る。
すると同じ部活の友達と、見覚えのある女の子。
確か少し前、趣味が同じと別の友達から紹介された子。
せっかくだから声をかけて、少し話してみた。
言ってしまうまでの一瞬。数分もなかった気がする。
でもその一瞬で思えたの。仲良くなれるな、って。
これからきっと、また話す機会はある。つくれる。
まだ始まってすらいない友情、期待してみようかな。
すれ違い
かけがえのない仲間だった。
だけど、やりたいことはそれぞれ違って。
それぞれ違う方を向いて、走って転んで、すれ違って。
それぞれ別の方向に、確実に進んで行って。
きっともう戻らなくても、進み続けて成功できる。
それでもあの時が、仲間が、懐かしくて大好きで。
我儘なのかもしれないけれど、また一緒に歩みたい。
戻る必要は無い。いつか進んだ先で待ち合わせしよう。
秋晴れ
寒くもなく、過ごしやすい天気。
でもどこか儚くつめたい天気。
そうは言っても、最近は雨ばっかりだね。
今の席は窓際だ。どうせなら綺麗な青空が見たいな。
忘れたくても忘れられない
ずっと覚えている。ずっと引きずっている。
中学生の頃、小学生の頃、なんなら幼児の頃の、
いわゆる黒歴史。どうせ私以外誰も覚えてないのに。
みんなそのくらいやらかしてるはずなのに。
分かっていても、ふと思い出すと死にたくなってくる。
だから、過去を振り返る暇もないくらいに今を。
今をただ走って上書き保存したい。
記憶はいつか昇華される。どんな記憶でも思い出に。
やわらかな光
ステージの上でやわらかな光に包まれる。
誰かは眩しいと言うけれど。
誰かは避けようとするけれど。
初めて浴びたその光は、想像よりずっと優しく感じた。
客席がどんなに暗くとも、どんなに遠くにいようとも、
どこかから声が、光が、届いていた。