願い事
クラスみんなで短冊を書いた。いつぶりだろう?
夏休みのこと、大会のこと、目標がある人は、それを。
私は、せっかく1年に1度なんだから1年中仕事してくれそうな願いを書きたかった。
健康?お金?どれもそこまでピンと来なくて、結局。
「全部何とかなりますように」
さすがに曖昧すぎたと思う。反省。
……まあいいか。何とかなれ。
最後の声
あの人と最後に交わした言葉は、
「ありがとう」かはたまた「またね」?
いつも通りの「さよなら」だった?
貰った言葉は、交わした言葉は、聞いた言葉は、
絶対に忘れたくない言葉だった、はずなのに。
まだ知らない世界
今日が終わったあとの、まだ知らない世界。
今年が終わったあとの、まだ知らない世界。
大人になったあとの、まだ知らない世界。
自分が死んだあとの、知ることもできない世界。
住む町が無くなったあとの、知ることもできない世界。
地球が終わったあとの、知ることもできない世界。
そんな来るかも分からないいつかの未来に、
ふわふわした不安と、それ以上の希望を持って、
今も1歩ずつ、進み続けている。ただそうしていたい。
光輝け、暗闇で。
明日は体育祭。
昨日の予行練習では白に劣敗。
飾りみたいな応援賞だけ、ひとつ。
正直勝てる気はしないけれど、
明日の私は多分、赤組から離れない。
赤色が、仲間が、何より好きだと思う。
競技よりも、勝敗よりも、記憶に残るのはなにか。
私たちはそれが何か知っているから。覚えているから。
不安はあれど、心はそれ以上にキラキラ輝くだろう。
新しい地図
明日から新学期が始まる。いつも以上に眠れない。
環境が変われば、地図を新しくする必要がある。
校内の施設や人どうしを繋ぐ線分たちが、
増えて、減って、書き変わっている。たぶん今も。
わたしはそれが不安なんだと思う。
大切な人がずっと遠くなる気がして。
2週間ぶりに会う親友を抱きしめたい私は、
不安な私と同じ思考をしている私なのだろうか。
6時間後には、過去の私になって忘れているだろうか。
新しくされた地図を渡された明日の私は、
誰と笑っているだろうか。誰かと笑えているだろうか。