梅雨

季節と言っていいのかも分からないこの時期。
雨なんて好きじゃない。服は濡れるし気持ちは下がる。
それは本心。だけど、紫陽花、ビニール傘、雨合羽。
雨上がりのどこか懐かしさのある香り。
そんな“梅雨”を思わせる概念は、嫌いじゃない。
見てよほら、明日も雨予報だってさ。

無垢

空気が読めない女の子。
誰にも好かれなくて、でも楽しそうで。
別に好きでも、関わりたいとも思わない。
だけど、きっと無意識に感じてること。
...あの無垢さが、私にとっては羨ましい。

終わりなき旅

君とふたりで歩くこの旅は、きっと終わりなんてない。
...と、錯覚するほど長くて、でも苦ではなくて。
どれだけ長い道のりでも、いつか終わりは来てしまう。
そんなこと、とっくに気づいている。私も、君も。
いつか旅の終わりが見えたとしても、
知らないふりして、無視して。2人で進んでしまおうか。

「ごめんね」

「あの時のこと、本当ごめんね...。」
「？…あぁ！全然いいんだよ〜！」
たった一言勇気を出しただけで、
心がすっと軽くなった気がした。
君との距離が近くなった気がした。
自分のこと、少しだけ好きになった。

半袖

暑さにやられて、教室でへたり込む。
見渡してみても、大半の生徒は半袖で過ごしていた。
少しでも涼しくなれる気がして、窓際へ向かう。
流れる汗が目に染みる。窓の外には風はなく、
気温だって中とほとんど変わらなかった。
もう既にこんなに暑いのに、まだ5月下旬らしい。
これから始まる夏本番…乗り越えられる気がしないな。