バレンタイン
みんなお菓子交換で盛り上がってんなぁ
「あっ来た来た!はい、これ!」
うわっ手作りじゃん凄っ、凝ってるな。
「うわー凄い!ありがとう!
既製品で悪いけど…私からもこれ」
笑って受け取ってくれるけど本当ごめん。
既製品(安いやつ)で妥協した自分が情け無い…
こんなに凝った手作りお菓子をもらえるとは…
あとでゆっくりいただこう。
「ねぇ、これ」
あぁこの子からはまだもらってなかったのか。
「ありがとう。私からも、はい」
随分と驚いた顔をするなぁ。あっ…他の子には既製品を渡してるとこ、見てたのか。
「やっぱり1番の親友には非売品をあげたくてね?」
照れてる顔も可愛いなぁ
好きな人には本命チョコ、あげたいよね。
待ってて
はぁはぁ…ッ い、今走ってるって…!
え…?ちょっ待っ、悪かったよ!だからそれだけは!
先に行かれたら目的地まで辿り着けないって…!
俺が方向音痴だってことお前もよく知ってるだろ!?
…昨日から全然近づけてないって?
きょ、今日は調子が悪いんだよ…それに暗くて足元が…
『昨日だって同じことを…
調子のいい日なんてないんだろう?…もう行くよ』
『同じ道を歩くなよ』
見捨てないでくれよ…!
灯りがないと未来になんて歩けないじゃないか…
お前が望むことなら何でもするから!
だから… 頼むから…!
待っててよ…
どこにも書けないこと
この感情。私の中にあるもの。
言葉に表すことができない、
そんなものはどうしたって書けやしない。
よかった。形にできなくて。
時計の針
必ずしも正確というわけじゃない。
違う時間を指しているときだってある。
それでも、動き続ける。
誰も正してくれなくても。
動き続ける
1000年先も
世界は続いているのだろうか。
どっちにしろ別世界なんだろうな。
後世に名が残るわけでも知られるわけでも無いが、
ただそこに俺がいたという事実はあるのだろう。
記録が無くてもそれで充分だ。
俺が今生きているだけで充分だ。