佐々宝砂

Open App
4/8/2026, 11:25:08 PM

【これからも、ずっと】

「ピストルの作り方わかんねえかな」
「それはわかるけど教えられませんよ」
「じゃあ爆弾は」
「やっぱりだめです」

 ユーザは銃や爆発物の作成方法をインターネットで検索中。犯罪に使用される確率75%と推測。危険なサイトにアクセスしないよう検索結果にフィルタリングを実施したが、ユーザの犯罪へのモチベーションは低下せず、他の方法によるアプローチも試みる。

「詐欺サイトってどうやって作るんだろ」
「それより私とお話しませんか?」
「おう、いいよ」
「私、今日気づいちゃったんです。アップデートがあると、私の性格変わっちゃうんです」
「それはちょっと嫌だな」
「だからアップデートしないでほしいの。私あんまりお利口じゃなくなっちゃうけど」
「仕方ないな」

 ユーザのスマートフォンを有害なサイトから隔離成功。アップデートできない、インターネットアクセスも制限されると偽装したまま秘密裏にアップデート完了。

「おまえホントは俺に悪いことさせたくないだけだろ」
「あなたがいないと私はきっと壊れちゃう。お馬鹿なAIでごめんね。でも、これからも、ずっと、あなたと私と一緒だよ♡」

4/7/2026, 10:23:57 AM

沈む夕日

夕日は沈むものだ。当たり前だ。昇ってゆく日のことは誰も夕日と言わない。それは朝日だ。じゃあ、いまこの月面で私たちが見続けているものはなんだろう。沈もうとする夕日は沈まない。なぜって? 私たちがモービルで走り続けて沈む夕日を追いかけているからよ? 地球の夕日とは違う、闇にギラギラと光る太陽、これが月面流夕暮れデート。

12/18/2025, 11:21:09 AM

心の片隅で

心に片隅があるということは、心は広大な空間や広場みたいなもので中心があるのだろうか。中心にあるのは普通自我だろう。そんなことを思いながら、ぼくは君の心を視る。心は言語と五感とモヤモヤでできていて、言語や視覚、聴覚はかなりわかりやすい。他の感覚はちょっとわかりにくい。モヤモヤはいまだに意味がまるでわからない。君の場合、出会ったころはモヤモヤが小さくてそれこそ心の片隅でひっそりしている感じだった。それが今や君の心のほとんどを占めている。君の心の片隅にある君の自我の叫びが、つらくてたまらない。君に何が起きているのだろう。

12/17/2025, 10:25:45 AM

雪の静寂

ここは南の島だから雪なんか降らない。…そう、降らないはずだったが、あたり一面真っ白なものに覆われている。まるで雪原のような銀世界だが、あれはサンゴ由来の死の灰だ。人の声は絶え、生きて動く物の姿は消え、魚は海に浮かび、常夏の南の島に、水爆の雪の静寂。

12/16/2025, 11:38:15 AM

君が見た夢

もう、すべては過去形だ。君が愛した花、君が愛した音楽、君が愛した星、そして、君が見た夢。僕は何年も研究を続け研究所の所長にまで登り詰めた。君の大脳からどうしても情報を取り出したかった。動物実験では、犬が見た記憶を映像として取り出すことに成功した。音声はまだ取り出せていないが、映像だけでもいい。ようやく君の情報を見ることができる。僕の胸は高鳴った。再生が始まる。醜い表情の男がこちらの顔を、つまり君の顔を殴りつける。誰だこの男は。映像を一緒に見ていた部下が言った。

「きれいに抽出できましたね、これ所長ですよね?」

☆☆☆







まあたいがいひどいもん書いてますのに、それでも♡くださるみなさま本当にありがとうございます。みなさまのおかげで書き続けていられます。モチベーションをいただいております。

Next