月海月

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7/2/2024, 2:32:21 PM


黒い羽根を拡げてあの子に逢いに行かなくちゃ。

黄色いドレスを着るあの子。

きっとよく似合うことだろう。

普段は眠っている時間だからか、幾ら羽根を羽ばたかせても
上手く飛んで行けないわ。



嗚呼。突き刺す光が躰を灼いているのかしら…

とても暑くて、躰が上手く動かせない


早く、、早く--あの子の所に行かなくちゃ。


私の躰が灼け尽きてしまう前に


#日差し

7/2/2024, 3:38:04 AM


「あなたは何処まで乗られるのですかな」

相向かいに座る老紳士に声をかけられた。

「行ける所まで乗っていようかと」

「いいですな。この鉄道は眺めも良い」

「全てが還る場所ですし」

夜空に広がる星雲を静かに列車は進んでいく。


#窓越しに見えるのは

6/30/2024, 11:04:12 AM


空に透かして見れば小指に絡む
血液が通る赤い管

こんな異様な糸に繋がる相手が可哀想。

#赤い糸

6/30/2024, 5:25:18 AM


“暑い…”
汗ばむ額をタオルで抑えて空を見上げてみれば
大きな大きな、入道雲が。

“龍神様がお住みだよ”
誰かに聞いて以来、心で祈りを捧げるように。


“鎮まり給え”


#入道雲


6/29/2024, 9:36:13 AM


金盥に氷と水を張り、両足同時に突っ込むと
熱が一気に溶けていく。

「そんなに張り切らなくてもよくなぁい?…お疲れ様~」

太陽に缶ビールを掲げて乾杯。

#夏

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