閑古鳥

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10/20/2022, 3:28:13 PM

《始まりはいつも》

始まりはいつも穏やかな風と共にやってくる
花の香りと鳥の歌声を乗せて飛んでいけ
桜吹雪を纏いながら進め進め飛んでいけ

始まりはいつも力強い蝉の合唱と共にやってくる
太陽光を一身に浴びて力強く響かせろ
唸る鼓動と逸る気持ち 吠えろ吠えろ響かせろ

始まりはいつも色めく葉と共にやってくる
陽は沈み 橙の空に明日を思い 舞い上がれ
風に舞い 木葉は踊る ふわりふわり 舞い上がれ

始まりはいつも静寂と凍窓と共にやってくる
銀世界 紅き手を見て一人佇み 空仰げ
凍てつく心臓 落ちる雪よ 光れ光れ 空仰げ

雪が解け 季節は巡る まわれまわれ何時までも

10/19/2022, 4:55:45 PM

《すれ違い》

私、あなたのこと誰よりも愛していたのに。
寝坊した時の寝癖も、ドーナツに目がないのも、「ありがとう」を伝えるのが恥ずかしい事も全部好きだったのに。
私、あなただけが大事だったのに。
他の悪い女に騙されないように、泣いている時何処にでも私が駆けつけられるように、あなたへの愛が絶えないように。
私は貴方を想っていたのに、あなたは私を重いと言う。
どうして、何が間違っていたの。答えを教えて。
けれどもう遅いんだよね。
もう、何もかもが遅すぎたのよね。

10/18/2022, 12:13:20 PM

《秋晴れ》

肌寒く、明るい。
カーディガンを羽織り緑道を歩く。
紅葉は、まだ未熟。
手に取って掲げると光が眩しい。
虫食いによる薄明光線を受けながら
右手を下げて歩みを進める。
空は、まだ青い。