9/7/2025, 2:12:39 AM
誰もいない教室
廃校になった母校に、こっそり忍び込んだ。
ここに通っていた時は、希望で溢れていた。毎日が新鮮で、早く大人になりたかったし、大人になればなんでもできると思っていた。
思い込んでいた。
どこで 道を間違えたんだろう。
今の自分には、何もない。
この空っぽの荒れ果てた、誰もいない教室のように、誰からも必要とされず、世間からも見放された。
あの頃眩しかった世界は、偽物の光の塊だった。大人になんてなりたくなかった。あの希望だらけの世界に帰りたい。
それが無理な願いだとわかっていても、そう願わずにはいられない。