すきだよ



桜満開の春から
蝉の声の夏

紅葉の秋を通り過ぎて
雪降る静かな冬

ぐるぐるとまわる
その渦の中にいても
あなたの笑った顔や仕草は
色褪せることはない


好きだよと言ってくれた
あなたの声だけが
どんどん遠くなってる

忘れたくないはずなのに

さくら



大きな枝に
ぼんぼりのような
花を咲かせていた
桜通りの桜さんは

人の都合によって
みんな伐採されました


桜の精さん

もしも全てが
転生を繰り返すのなら
またどこかで逢いたいです

美しい春を届けてくれて
ありがとう

はるかぜとともに



公園を通り過ぎて
少し狭い階段を降りると
小さい踏切があって

その線路沿いに
真っ白な花を
ずらりと咲かせ

春風と共に揺れている
ユキヤナギ

私の1番好きな季節を連れて
柔らかく揺れている

てをつないで



桜ひらひら　参道の

美しさと　儚さが

私の心を　滲ませる


繋いでくれた手

そっと力が入るたび

あなたの顔を　見上げてた

はなのかおりとともに



これ、何かわかる？

そう言って
指をわたしの顔に近づけた

ローズマリーの香りだった

いつまで経っても
忘れない香り

いつまで経っても
忘れない思い出

今も花を愛する
あなたでありますように