『真夜中』
灯りは消え、村人たちが眠る時。
我らが眠りから覚める。
紅き目を光らせ、今宵の生贄を選びに──。
…なんてね。
そんなおどろおどろしいものじゃない。
私達…人間が言うところの吸血鬼は
長い年月を経て人間と共に生活することを許された。
「人間を食糧としない」という約束をして。
吸血鬼は人工的に作られた血液でも栄養としては足りる。
人間がこの血液を作り出し定期的に私達にくれる事で
この村は人間と吸血鬼の共存を実現していた。
だけど、やっぱりたまに生きた人間の血を吸いたくなるときがある。
それは私が若いからっていうのもあるけどね。
だからね、
真夜中にこっそりと民家に忍び込み
バレないように私は人間から血をもらっている。
もちろん、死なない程度に。
「さてと、今日は誰から血を貰おうかな」
『愛があれば何でもできる?』
「愛があれば何でもできると思う?」
そんな質問に私は
「できる!」と特に考えることもなく答えていた
でも今
「恋人の代わりに死ぬことはできますか」
その問いに私は考えずにはいられなかった
私が何もしなければ恋人は死んでしまう
しかし
恋人のために一つしかない命を差し出すのは抵抗がある
「愛があれば何でもできる?」
馬鹿馬鹿しい
私は恋人を見捨てて生きることを選んだ
所詮、愛なんてこんなモノだ
『後悔』
将来について真面目に考えればよかった
高校でもっと勉強しておけば
今、こんな退屈な日々を過ごしていなかったのに
後悔する前にやれと言うけれど
後悔してからじゃないと何も学ばない
それが人間なんだと私は思う
『風に身をまかせ』
穏やかで
時に荒れる
そんな気ままな風に身を任せ
生きていく
僕達は
綿毛
一人じゃ何もできない
だけど
心はとても強い
綿毛
『おうち時間でやりたいこと』
うーん、ケンタッキーを食べる?
あんまり思いつかない…でも
今、お腹空いてることだけは確かだな