お前のために眠りました

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2/24/2024, 2:37:41 PM

大きくなったあの人が、ちっぽけになったすべてを踏みつぶす様をニュース中継で見ていた
今はふたつ隣の町を歩いているところらしい 大きくなっても、あの人の所作は変わらずに美しいな
おそらく最後の食事になると思われる焦げたチョコのトーストをかじった すこしにがい
じきにわたしの番も来るだろう

お題「小さな命」 おまねむ

2/23/2024, 12:07:46 PM

きみだけが特別なんだ きみだけを愛しているよとおれに囁くあの人が
求められれば誰にでもそうのたまうことをおれが1番よく知っている
あんたの特別にはなんの価値も無いのだ しかし誰もがそれを切望せずにはいられないのだ 滑稽だとお思いですか ええそうでしょうね

お題「i love you」 おまねむ

2/22/2024, 10:46:21 AM

太陽のようなんだ! わたしのかみさまは、まさしく
ぽかぽかと暖かく、優しく感じられる瞬間がある
その気持ちのままに近づくと、あっという間もなく焼き付いてしまって、「あたたかいなぁ」という気持ちのままに死ねるのだ
たすけてと言っても焼けこげた手を離して貰えずに死ねるのだ
羨ましいだろう でもわたしの順番はまだ遠い かみさまが言うにはあと2587426974236887412669877人待ちらしい
難儀なものだ

お題「太陽のような」 おまねむ

2/20/2024, 11:52:13 AM

わたしのかみさまは誰にも同情などしない。かと言って誰かを尊重したりもしない。もちろんおれにもだ。
わたしのかみさまは誰にでも尊大で親切で優しくて、残酷なくらいすべてを平等に扱うのだ。
そのくせおれに「きみは特別だから」などとのたまうのだ。知っているぞ、おまえは誰にでもそう言うんだ。アイツにもソイツにもおれの嫌いなアイツにだって、あんたは誰にでも秘密の話を持ってきたようなイタズラっぽい笑顔で「きみだけは特別だから」とこしょこしょと少女のような声で耳打ちするのだ。
ああ、ほんとうにおれだけがあなたの特別だったら良かったのに。そうだったら良かったのに。そうだったら良かったのに。

お題「同情」 おまねむ

2/19/2024, 10:29:53 AM

枯葉をシルクのような笑顔で踏みにじったわたしのかみさまは、そんな邪悪を晒してなおいっとう美しい
わたしもきっと、近い未来にあの枯葉のひとつになるのだろう
かみさまのもたらしてくれる物ならば、それが破滅であれわたしは嬉しくってたまらなくなる わたしは踏みにじられた枯葉となり泥だまりに打ち捨てられて二度と顧みられることはないのだろう それが嬉しくってたまらない
来る破滅の予感に、わたしもかみさまと一緒になって笑った

お題「枯葉」 おまねむ

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