〖月夜〗
「ああ、月よ!私の道を照らしておくれ」
「月は私たちの味方ですからね」
「無理!!私だけじゃ意味がないっつの!」
どうせ人には届かないからと乱暴に言い放つ
月はうるさいほどに名指しを受けるのに反し
寂しいことに夜が呼ばれることはない。
「ね?いつも月の私ばかり呼びつけるの。」
「あなたが動かないなら私も表に出ないわ」
「なんとでも言っていればいい」
「求められているのは月のお前だけだ」
「夜が来ないという痛みを思い知ればいい」
そんなことが遠い昔に起こり
月の出現回数は大いに減るのと同時に
完全な夜が来ない日があったという。
人間は反省し夜を大切にするようになった
「月夜」という言葉をつくり
天空でも、文字同士でも離れないようにした
月の美しい夜のことを「月夜」と名付けた
そして現代の人はこう呟く
「月夜っていいね。だから月と夜が好き」
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〖絆〗
絆は「傷無」だ。
互いの傷を無くし合える。
自分の背中を任せたり
ときには相手を導いたり。
共に時間を過ごし、一緒にご飯を食べる。
嬉しかったらぎゅっと抱き合うし
辛いときはそっと肩を寄せ合う。
どれも傷を無くせる絆なんですよ
何より絆は思ったより万能で。
元には戻らない古傷をマシにだってできる。
ひとりじゃ治せなくとも
誰かとの絆は奥まで効いてくれるから。
逆に絆は古傷を目立たせることだってできる
傷口も自分も強くしてくれるのが絆だから。
絆って、本当に素敵でしょう?
「仲良し」の証でもあるし
「助けて」の信号にもなれる。
人と人との間でしか生まれないからこそ
その熱が冷めぬように、ちぎれぬように
大切にしていたいものですよね
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〖たまには〗
いつも「たまには」で動く彼女は
どうしてあんなに愛しいのでしょう
能天気で、ふにゃっと笑いながら
彼女が零す「たまにはいっかあ」
僕が迷ったときだってそう。
横からぬぬっとやってきて
「たまにはー?」と聞いてくる
彼女と揃って、「いっかあ」がお決まり。
僕は彼女に聞いた。
「『たまには』ってよく言うよね」
彼女から返ってきた言葉は
「うん、どの字も丸っこくてかわいいから」
「だからいっぱい使ってあげたくなるんだ」
まさかの字形にまで愛着をもつ彼女。
こういうところが本当にかわいいんだ。
よく使う理由を聞いた後、
「たまには」とそれを使う彼女のことが
聞く前よりもっと好きになった。
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〖大好きな君に〗
好 き だ け ど !!
「大好き」はまだ恥ずかしくて
認めたくないっていう変な強がりの私。
初恋が散々だったから
「好きかも」の感覚がわからなくなって。
彼はそんなもん知らねえって調子で
私の間合いに入ってくるわけ。
私に掛かる錠を一発でぶっ壊した
もうあれは解錠とかじゃなかった
でも不思議なことに嫌じゃなかったの
逆に、仲良くなれた気がしたというか。
「好き」はクリアした、次は何だって?
「大好き」ってなんだ「大好き」って。
別に大好きの意味はわかってるし。
まあ、でも!!
彼に向けた「大好き」は
まだ!!!しまっておくことにします。
なんか騒いじゃった。
落ち着くためにお茶でも入れてこよーっと。
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〖ひなまつり〗
「これはね、ひな人形っていうんだよ」
「女の子をお祝いする日なんだよ」
娘である私にそう教えてくれたのが、
私にとって「初めてのひな祭り」でした。
ひな人形に近づいてなにかを回す母
何回か回すと音が聞こえてきて。
そう。ただのひな人形じゃなく、
オルゴール付きのひな人形だったんです。
「1番上の左にいるのがおだいりさま。」
「おとなりにいるのが、おひなさま。」
そう説明をしてくれたような気がします。
朝。飾ったひな人形の横でお化粧をする母。
私は母の隣にそっと行き、
小さな手でゼンマイを懸命に回しました。
そして流れるオルゴールの音を聞くんです
止まっては回して、止まっては回して。
そうやって母のお化粧が終わるのを
待っていた記憶があります。
この時間はつまらないものではなく、
3月にしかないたまらなく好きな時間でした。
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