「青く深く」


子供の頃　川で溺れかけた

落ちる時に見えた　空と　空中の自分の

足、、、


水の中から見える空は　　とても青く

沈んで行くほど　　深くなる


生還した私の目に　色が焼き付き、貼り付いたまま　　　

私は今もこの青色を通して　風景を

見ている

「夏の気配」


エアコンのフィルターの掃除をして

窓にすだれを掛けて

江戸風鈴を風の通る場所にぶら下げて

麦茶ボトルを2リットルに換えて

外で日に焼けたアスファルトの匂いを嗅いで

まだ夏の焼け具合ではないな　と確かめて


試合前のリングに上がる緊張感で

私は日本の夏の気配を感じる

まだ見ぬ世界へ！

「最後の声」


　
　　　夏の終わりに　蝉が　
　　　
　　　　ジー！！　
　
　　ジ~~！！　　　ジーッ！！　
　　
　
　
~~ 、、？、、、、、？？、、

　　　　ジ！、、、~~~



　　えっ？　もう終わり？

小さくても　大きくても
今　持っている　愛の量でしか　
人は愛する事が出来ないんだ

育てた分だけ　
貰った分だけ　しか無いんだ


あなたの愛が欲しい　あなたが持っている以上に　と思っても

砂漠で水を貰いたくても　水を持っていなきゃ　あげたくてもあげられない


愛は意外と今なんだ

愛せるのは　過去でも未来でも無く
今しか出来ない

過去を今愛する　未来を今愛する
私はあなたを愛する