君の声がする。
君の姿が見える。
君の肌を感じる。
君の匂いがする。
懐かしさを憶えている。
アナタを憶えている。
君の声を忘れている。
君の姿を忘れている。
君の温もりを忘れている。
君の匂いを忘れている。
ワタシは忘れてしまった。
アナタを忘れてしまった。
懐かしさも、想い出も。
人の記憶は順番に忘れるもの、
君の声を忘れてしまう前に
会いに来て欲しい。
鏡の向こうにいるワタシ
そっと伝えたい。
「アナタを見ているよ」
努力が報われないと言うアナタも
不安と孤独で泣いているアナタも
ワタシは一番近くで見ている。
他の誰でもないワタシが見ている。
そっと伝えたい。
「ワタシが一番アナタを知っている」
誰かがアナタを忘れていてもそれでいい。
ワタシがアナタを憶えている。
ワタシを忘れなければそれでいい。
それでいいんだよ。
将来がこうであって欲しい。
願うならば今日を変えなければいけない。
今日が変えられないなら、明日を変えればいい。
20代で無理だった。
なら30代で叶えればいい。
30代で無理だった。
なら40代で叶えればいい。
未来の記憶に遅い事はない。
明日に見た未来の記憶。
君の背中は大きかった。
歩くのが辛かったあの日、
悲しくて泣いていたあの日。
背負い歩いてくれた。
暖かさに安心して眠りについた。
時が過ぎて大きくなった私。
大きくなったねと言った君。
今では君の背中は小さく見える。
歳を取ったんだね、お父さん。
恥ずかしくて言えていない。
「あの日はありがとう」
君の背中は優しさに溢れていた。
辛くて耐えられなかったあの日。
喧嘩して素直に慣れなかったあの日。
優しく撫でてくれた。
優しさで包み込まれて泣いていた。
時が過ぎて大きくなった私。
友のように接してくれる君。
今では同じくらいの大きさになった。
私も歳を重ねたんだね、お母さん。
ちゃんと言えていない。
「あの日はごめんなさい」
2人の背中を見て、私は大人になった。
2人の背中を見て、私は子供のままだ。
恥ずかしくて言えていない。
「私を産んでくれてありがとう」
「2人が両親で良かった」
愛してくれて、寄り添ってくれた。
君の背中はあの日のままだ。
あなたは感謝を言葉に出来ていますか?
昔は手を伸ばせば届くと思っていた。
夢も大切だと思える人も。
歳を重ねればできる事が増えていく、
歳を重ねれば忘れる事が増えていく。
夢は何か問うている。
大切な人を忘れている。
今は手を伸ばしても遠く離れていく。
私は孤独だ。
私は忘れている。
私はワタシを忘れている。
ワタシさえ遠くへ逃げている。
あなたはアナタを忘れていませんか?