架空体

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8/20/2025, 1:53:37 PM

【きっと忘れない】

雨上がりの石畳に、夕陽が跳ねていた。
友だちとふざけて走ったあの日も、君とすれ違って気まずく笑った日も、この場所に染みこんでいる。

時間が経てば、顔も声も少しずつ薄れていく。写真さえ色あせる。
それでも、胸の奥の小さなひっかかりみたいに、消えない瞬間がある。

「忘れちゃだめだ」と無理に握りしめるんじゃない。
ただ、思い出は勝手に生きて、ふとした拍子に息を吹き返す。

風に揺れる木漏れ日を見たとき、あの笑顔が蘇る。
だから僕は確信している。――きっと忘れない。