6/19/2025, 11:44:49 PM
雨の香り、涙の跡
またね、元気でね
祖父の棺の前でつぶやく言葉として
正解だとは思わないけど、自然とこぼれた
まだしばらくはここで見守ってくれているはず
雨の香りはもうしない
涙の跡があるだけ
6/18/2025, 11:45:37 PM
糸
深淵の中の現れた一筋の光
絶えず聞こえてくる呻き声がピタリと止んだ
そっと周囲を見渡すといつもと変わらぬ地獄
自分だけが特別なのだ
希望を胸いっぱいに手を伸ばす
彼はまだ知らない
それは救済ではなく試練の始まり
6/17/2025, 10:46:04 AM
届かないのに
周りを見ながら手を伸ばす
欲しくもないけどみんなから浮かないように
つま先立ちになったら、ジャンプしたら
届くのかもしれない
でも届いてしまったら面倒だから手を伸ばすフリだけ
早く会ってみたいな
心から手を伸ばしても届かないものに
6/16/2025, 11:47:16 PM
記憶の地図
10年ぶりの帰ってきたこの街
この道をまっすぐ行くと両親とよく行ったスーパー
、、、は無い
ここを曲がると部活帰りにみんなでおしゃべりしたカフェ
、、、も無い
10年も経てばみんな変わってしまうか
ふと目を上げると、当時と変わらない
あなたと初めて会った場所が輝いて見えた
6/15/2025, 11:44:12 PM
マグカップ
引き出しの中に
ぎっちりと詰め込まれたマグカップ
1年以上も使ってないのがほとんどだ
だけど一つ一つ手に取ると
当時の思い出が蘇ってくる
どれも真剣に迷って迎え入れたもの
捨てられるわけがない