これで最後



もう通らないと思っていた通学路

気づけば足をむけていた

新しい環境が辛いわけじゃない

ただしっくりこないだけ

この道は優しく受け入れてくれる

先週と同じように呟く

これで最後

君の名前を呼んだ日



君の名前を呼んだ日

それは君に恋をした日

君の名前を呼んだ日

それは君に告白を決心した日

君の名前を呼んだ日

それは2人で結婚式前夜に笑い合った日

君の名前を呼んだ日

それは君が空へ旅立った日

君の名前を呼んだ日

それは私が、君の温もりを感じながら、息を引き取る日

優しい雨音



2人きりの部屋

突然告げられた別れ

いや、なんとなく予感はしていた

冷静に受け止められている私

雨の音が優しく耳に響いてくる

窓の向こうは晴れている

そっと包み込んで



義理チョコと言って渡した本命チョコ

お返しにもらったのは市販の、100円で売ってるチョコ

それでも嬉しくて机に置いて毎日眺めている

そっと手で包み込んでみると温かい気がする

溶けないうちにやめないと

でももう少しだけ

昨日と違う私



「どこが変わったでしょうか？」

聞けば夫や友達は必死に見つけようとしてくれるだろう

でも聞かない

聞いたら答えを教えなくちゃいけないから

世界中で私だけが知っている秘密

なんだかワクワクする