夢の中をかけ回る仔犬
その無邪気な尾を左右にふり
夢中でばたつかせる足が可愛いね

夢の世界は自由にみちている
仔犬もまた　夢の一部になり
現実のあれやこれ　忘れてさ
ただひたすらに地を蹴りつける

その小さな体はエネルギーの塊
夢は果てしなく広がり続ける
仔犬の足音がたんっ、と響くたび
景色は色彩をかえる

出会う友達はみんな新しいかお
一緒に遊ぶ時間は無限だ
わん、と吠えて誘うよ
さあ行こう、って

魔法の世界　オズの世界
水たまりの中にあるの知ってる？

水たまりの中の空には虹
えいっと飛び込むの

かかし　らいおん　ぶりきのきこり
みんな みんな 私の友だちよ
ととは家族ね

家に帰りたいときは
私はかかとを三回鳴らすの

そしたらね？
魔法の世界から現実の世界
ふしぎな旅は一旦終わるの

脳内犯罪　全科なん犯？
あたしは　とっても悪い子だから
いっつも　他人を傷つけてる

頭の中で　言葉の凶器を用意して
頭の中で　拳を強く握りしめてる

自分のことばかりを考えて
他者の気持ちを無視してる


そんな自分が本当に大嫌い
だからいつも　これで最後と
足を洗おうとするけれど


表面的な悪意が蓄積して
心の中の奥深くで
底知れない仮想の罪が渦巻いていく

仕方ないよね？
だって　あたしはとっても悪い子だから

眠るまえに口ずさんだのは
やさしい雨の歌で　

眠るまえに覚えた魔法は
やさしい雨の調べで

眠りに導かれたのは　
やさしい雨音の子守歌

心を満たす言葉が　
散らばるまえに
そっと包み込んで

ただひたすらに
優しい記憶として
満たしていきたい