NoName

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8/2/2024, 10:40:45 AM

朝露に濡れた硝子窓
今日こそは天国へゆくのだ

この世に繋ぎ止めるための、この部屋
縄に命を括り付け、引きずるようだ

息をするのも陽に目を焼くのも億劫で
それでも白い箱に縋り付く私の浅ましさ
神さまはお赦しになられるだろうか

じくじくと掻きむしった肌が膿んで
私は跪くことすらできなくなった

この退廃と、私、白い箱に詰まった死と生の海に
澱む感情が押し寄せてくる

もう、どうにもならないそれを抱えて

今日こそ

天国へ

そして、私の未練を打ち切る、あの断頭台

白く澄んだ、空の病室

朝露の拭われた硝子窓にて