大丈夫だよと私の手を包み込んでくれるあなたの手。
そのあたたかさが心地よくて嬉しくて、私は涙が出そうになる。
もしこれがカイロとかだった場合、私はこんなにも嬉しいとは思わなかったでしょう。
人肌というのは時に絶大な力を発揮する。
今それを私は身に沁みて感じているのですから。
特別な力を持たなくったって相手を思いやる心や相手を慈しむ心を持って接すれば、それが肌……主に手から伝わっていく。
それがきっと手のひらの贈り物というものなのでしょう。
好き合ってる二人がいる。
でもその二人はなんだかんだと理由をつけて相手を好きだという気持ちから目を背け続けている。
心の片隅では好きで好きでたまらない、大好きなあの人を他の人にとられたくないってわかってるはずなのに……どうして認めたくないんだろうな。
だから俺は奴に言ってやった。俺があいつに告っちまうぞって。
そしたら凄い顔して俺を睨みつけて怒りを露わにしやがる……
まったく、そんな顔するんならマジでさっさと告ればいいのに。
はたから見てもお似合いカップル。付き合ってない事実を知った人はみんな驚いて二度見するのが常だ。
それをわかってないのは奴とあいつの二人だけ。
……もう早く告れ。そしてお前らになぜか変な気を使っている俺を早く解放してくれ……
寝起きのぼんやりした頭でふと思う。
……なんか、今日、静かだな……
時計を見ると午前五時を少し過ぎたところだった。
まだ寝てる人も多いから静かなのは当然なのかもしれないけれど、それでもいつもより静かだ。
それに部屋の空気もいつになく冷たい。これはもしかしてと思ってカーテンを開けると雪が降っていた。
ベランダに少しだけ積もっている雪。それだけでも珍しいことなのでもう少し見ていたい気持ちもあったが、いかんせんやっぱり寒い。
私はカーテンを閉じて布団の中に入り直す。
今日は休みだからまだまだ寝れる。
雪の静寂も相まって極楽の二度寝になりそうだ。
正夢になったらいいね。
……なんて心にも無いことを僕はあと何回君に言えばいいんだろう?
君が見た夢は全教科100点を取ってみんなから褒められ結構な額のお小遣いまで貰う夢。
君の成績は中の下。大の苦手の理科は下の下。
でも君は目をキラッキラ輝かせて、いつか私は100点取るの! と正夢になるのを今か今かと待っている。
そして何度も何度も僕に夢の内容を事細かに告げてくる。
……そんなことしてる間に勉強したら? と思うけど、勉強が苦手というか嫌いな君は絶対しないだろう。
だから一生その夢が正夢になることはない。
……自分でも思うけど、悲しい言葉だね。これ。
あなたと共にいられるならば何も怖くない。
真っ暗闇の中にいても平気。
どんなに明日への光が見えなくても、あなたと一緒なら恐れることは何もない。
だからずっと私のそばにいてね。
この命が尽き果てるその時まで。