手袋よし! マフラーよし! 耳当てよし!
ダウンジャケットを着てレッツ天体観測!
うぅぅさっむ〜……だけどせっかく星のキレイなとこに来たんだからちゃんと見ないとね。
望遠鏡も双眼鏡もないからただの肉眼でも見えるかなーと思ってたけど、案外結構見えるものだね。
まあオリオン座しかわかんないけど……
あ、やば。鼻水出てきた。そろそろ戻ろうかな。
凍てつく星空を見るのは次いつになるのかわかんないけど、満足したからしばらくはいいや。
は〜、あったかいもの飲んで寝よ寝よ。
共に行こう。二人でならきっと怖くない。
大好きな君とならこの先どんな試練だって乗り越えられる。
そして君と紡ぐ物語を二人で振り返って、あんなこともあったね、こんなこともあったねと笑い合いたい。
だからずっとずっと僕のそばにいてね。
死が二人を分かつまで。
押し入れの奥から古びたオルゴールが出てきた。
あー、あったなあ……と思いながらとりあえずネジをくるくる回してフタを開くと美しい旋律が流れてきた。
だけどところどころピンが折れてるのか音が抜けている箇所があった。
元のメロディはどんなのだったっけ?
私はその失われた響きをもう思い出すことはできない。
押し入れの奥でひっそり存在していたそれを忘れていたし、メロディを聴いても懐かしいとも思えなかった。むしろ、初めて聴いたような気さえする。
申し訳ない気持ちになりながらも、私はオルゴールをそっと燃やせないゴミの袋に入れた。
朝方にふと目が覚めた。
部屋に漂う温度から外はめちゃくちゃ寒いんだろうなとまだ眠い頭でぼんやり思う。
今日は霜降る朝だからこんなに寒いんだなあ。
子どもの頃は喜んで霜を踏みに行ったけど、大人になった今はただただ寝ていたい。
あったかいお布団に包まれての二度寝……ああなんて幸せなんだろう。
今日は休みだからとことん寝てられる。
それじゃ夢の中に行ってきま〜す……
あれ? 家のカギ締めたっけ?
……そう思ってしまったが最後、冷や汗がダラダラと流れ落ちそうな感覚と焦りが湧き上がった。
落ち着け落ち着け……まずは深呼吸。次いで心の深呼吸だ……
ああでも確かめたいっ! 今すぐ家に帰りたいっ!
だけど今は仕事中で帰れない!
うう……この気持ちのままあと数時間仕事中しろと言うのか……!?
全然集中できないし落ち着けなーーーい!
……というわけで仕事が終わったら爆速で家に帰ったら、ちゃんとカギは締まってました。
あー、良かった。
……でもあれ? ロッカーちゃんと締めたっけ……?