バスクララ

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2/18/2025, 1:01:59 PM

あの手紙はどこに行ってしまったのだろう。
大切に大切に仕舞っていたのに。
幼い頃友達から貰った手紙。私が引っ越してしまって長い事会ってないけど、とても大好きな友達だった。
もう顔もおぼろげだし声も忘れちゃったけど、それでも手紙を見たらあたたかい気持ちになるの。
……本当に、どこ行っちゃったんだろう。
そう呟いても手紙がひょっこり出てくるわけもなく、時間だけが過ぎていった。
部屋中ひっくり返す勢いで探してもやっぱり出てこない。
オカルトを信じない私でさえあの手紙は勝手に消えてしまったのだと思わざるを得ないほどだった。
そんなことありえるはずがない。ありえてほしくないのに、どうして見つからないの?
……嗚呼、手紙の行方は今いずこ。

2/17/2025, 11:39:48 AM

キラキラと輝きを放つ星。
今日は、いや今日もとてもきれいだ。
今の季節はいろんな星座が見られるのだけど、悲しいかな私は星にそこまで興味がなくオリオン座しかわからない。
星占いなら興味ありありなんだけどな。
まあそれはさておき。
煌めく星々はいつ見てもきれいだけど、いつか天の川をこの目で見てみたい。
テレビでも写真でもプラネタリウムでもなく、本当に生で。
私のいるこの町は天の川を見るには少し明るすぎる。
だから夏になったらあの輝きを見るために星空で有名なところに行ってみたいな。

2/16/2025, 11:50:09 AM

彼の左手の薬指におもちゃの指輪を嵌める。
それだけなのに幸せな思いで心が満たされる。
彼がゆっくりと私の左手の薬指におもちゃの指輪を嵌める。
きらりと輝くそれに胸がいっぱいになって思わず涙がこぼれた。
彼は優しく私の涙を指で拭って、唇に軽く触れるだけのキスをした。
感極まって彼を抱きしめ、思いつく限りの愛の言葉を彼に叫ぶ。
今日は私と彼の結婚式。
だけど神父も参列者もいない。それどころか結婚式場ですらない。
彼の部屋でひっそりと行われた結婚式。
私達はまだ中学生だから本物の指輪なんて用意できなかった。
だからいつかきっと大人になったら本物の指輪で立派な結婚式を挙げる。
……でもその時まで待ち切れない。そう思うのは我儘かな。
ねえお願い。時間よ止まれ。
せめて一日ぐらいはこの時のままがいいの。

2/15/2025, 12:54:28 PM

僕はいつだって君を第一に思っているよ。
だから怖い時や心細い時には僕の名を呼んで。
君の声がする方へ全速力で駆けていくから。
ご主人さまからもいざという時は君のことを守るよう頼まれているんだ。
だから安心して。
君が天寿を全うするその時まで僕は生きられないけど何度だって生まれ変わって君のことを守るから。
君の声ならどんなに小さくても僕は聞き逃さない。
何があってもどんなことがあっても絶対に。
僕は君だけの忠犬だから。

2/14/2025, 1:11:52 PM

シンプルだけど直球な感謝の言葉。
それが『ありがとう』
言った方も言われた方も嬉しい気持ちになる魔法の言葉。
だけど……だからこそわたしはそれを言いたくない。
誰かに心を許すつもりもないし、なれ合いもしたくない。
誰かに感謝することはある。でもその時はどうもと言えばそれで伝わる。
怒られる時もあるけど、それでいい。わたしは孤独に一人で生きていくんだから。
もう誰かを失うような悲しい思いはしたくないの。
一人ぼっちの魔法使いの女の子。わたしはそれ以外の何者でもない。
幸せにならなくていい。誰かにありがとうと感謝されなくてもいい。
家族やお姉さんはもしかしたらこんなわたしを見たら怒るかもしれないけど、その人たちはもういない。
それにわたしは今のわたしに満足している。
わたしの人生はこれでいいの。
……そう、これでいいの。

……そんなわたしがとある人たちとパーティを組んである一つの幸せを手に入れるのは、少し未来の話……

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