自分の弱点は何かと訊かれたら、私は迷わず英語もしくは外国語と答えるだろう。
授業態度だけが良くて、他は軒並み壊滅的。
成績はいっつも2。
そんな私だからRing Ringを見た瞬間、指輪指輪だと思ったのは仕方のないこと。
だけど知らない言葉だから調べて、どんな意味なのかを知った。
電話のリンリンという音、だそうだ。
知らない知識が増えて私はまた一つ賢くなった。
……はずだ。
めっちゃ恥ずかしい……
まさか、まさかのまさかだよ……!
強い追い風にあおられて転んじゃうなんて……!
うぅ……周りの冷たいような生暖かい目が突き刺さる……
どんだけ体幹弱いんだよ、私……
ヒザと手のひらめっちゃ痛い……
うわ、皮めくれてるし血も出てるよぉ……
家に帰ったら応急手当しないとなあ。
ばんそうこう……よりもガーゼの方がいいなこれ。
消毒液とかもあったっけ?
はあ……ドラッグストア行こ。駅近にあったはずだし。
……しかし、今日こんな不運があったから明日はとても良い日になるよね?
禍福はなんとかの縄のごとしって某鬼のアニメでも言ってたはずだし。
よし、そう思ったらなんか元気出てきた!
明日が楽しみだなー
君がそばにいるだけで僕は嬉しい気持ちになる。
ずっと君と一緒にいられたらどんなに幸福だろうか。
だけど、僕と君とでは大きな壁が存在する。
ずっと一緒になんていられない。
僕は犬で君は人間の赤ちゃんだ。種族も寿命も僕と君は違いすぎる。
君はこれから先たくさんの喜びや悲しみを知って大人になっていくのだろう。
その時、僕はおじいちゃんだ。生きているかどうかさえわからない。
君に出会えたことを心から嬉しく思う。
言葉は通じないけど想いは通じる。そう信じて僕は君にたくさん話しかけたりじゃれたりしているんだよ。
時には怖がらせることもあるし、ご主人から怒られることもあるけど、僕なりのスキンシップなんだ。
人間から見たら僕の生きる時間は少ない。それは僕もわかっている。
だからそれまでは君と一緒に遊んだり、散歩したり、どこまでも一緒にいたいな。
綺麗に晴れ渡る空。見事な冬晴れだ。
空気は冷たいのに陽だまりにいるとなんだか暖かく思える。
こんな日にはちょっとだけ遠出してみようかな。
そういえばこの前、新しいパン屋さんのチラシが入ってたっけ。
せっかくだから行ってみよう。
どんなパンがあるのかな。美味しいパンだといいな。
近くにいて当たり前だと思っていると、ふとした拍子に全てを失ってしまうこともある。
幸せとはそういうもの。
こうして暖かい部屋でスマホを触って自分の世界を表現することだって、明日のご飯のために買い物の予定を立てることだって、本当に幸せなことなんだ。
伴侶がいなくても、恋人がいなくても、一人ぼっちでも私は充分に幸せ。
それ以上は望まない。失った時が怖いから。