今年は家族の病気に振り回された一年だったような気もする。
夏、同居している祖母が劇症型溶連菌と骨粗鬆症を患う。
前者は完全に治って、後者は今も治療中。
祖母が入院している間に父と祖父が新型コロナに。
冬、というか年末、退院していた祖母が心不全とがん(おそらく)にかかって再び入院。
そして今、両親と祖父がインフルにかかっていて私はひやひやしながら隔離生活中……
来年は病気に振り回されませんようにっ!
冬に給食でみかんはよく出た。でも、その全てが冷凍みかんだった。
なんで冬に冷凍みかんを食べなくちゃいけないんだ。どうせなら夏に出してくれ。と小学生の私はちょっと怒っていた。
大人になった今でも思う。
冬に冷凍みかんはやめてくれ。確かに美味しいけども!
今年こそ、今年こそ充実した冬休みを過ごすぞ!
……毎年そう意気込んで、気がつけば冬休みが終わる。
だから俺は決心した。
完璧な計画を立てようと。
まずは惰眠を貪って、朝飯という名の昼飯を食べる。
適当に読書して、おやつ食って、ついでに昼寝もしようか。
そんで晩飯食って、風呂入って、寝るギリギリまでゲームしてしまおう。
……よし、我ながら充実した完璧なだらだら具合!
そうと決まれば宿題を秒で終わらせるぞ!
こーゆーのはやらないと後々苦労するし内申にも響くからな。
いつも規則正しい生活をしてしまうから、今年こそだらだらしてやる!
俺はやれば出来る子おおお!
しくった……。
手ぶくろ家に忘れてきちゃった……。
仕事も無事納まって後は帰るだけなんだけど……雪も降ってきちゃったな……。
ポッケに手を入れて歩くのは……つまずいた時怖いしやめとこ。
うー……結構手がかじかむなあ……。カイロとか持ってくれば良かったなあ。
まあでもしょうがない。
自分のうっかりが原因だから甘んじて受け入れましょう。
……と思ったのに、カバンの奥底から出てくるなんて聞いてないよ!
あの頃からちっとも変わらないね。と中学ぶりの友達は少し嬉しそうに笑った。
そうだね。あなたは結婚して子供もできた。
あなたから見たら私なんて変わってないように見えるのだね。
でも、そうでもないよ? 私だって変わったよ。
あの頃より難しい漢字や言葉をたくさん覚えた。
新しい趣味も増えた。
人の機微もちょっとはわかるようになった。
嫌いな野菜も少し食べられるようになった。
確かに微々たる変化かもしれないけど、あの頃と全く同じではない。
変わらないものはない。それは人だって物だって同じ。
……そう言いたかったけど友達の笑顔を壊したくなくて、そうかなと曖昧に笑った。
あの頃と変わらない昔の友達。
私の立ち位置はそれで良い。