冬になったら美味しいものたくさん!
お鍋にコーンスープ、ホットココアにホットミルク……
あ、シュトーレンとかウイスキーボンボンも美味しいよねー。
でも何より美味しいのは……寒空の下で食べるコンビニ肉まん!
おてて冷たい中ホカホカの肉まんを持って、フーフーしながら食べる。
口の中も冷たいからヤケドしそうになるけど、ハフハフ言いながら食べるのがまた美味しいのよね〜。
……あー、思い出したら食べたくなってきちゃった。
早く冬にならないかなぁ。
『大丈夫。私とあなたはまたくっつくから。
今はこうしてはなればなれになってるけど、私はまたあなたの元に行くわ。
だから心配しないで。
そんな保障はどこにもないなんて……随分悲観的ね。
ほら思い出してみて。私がここに来てから一日以上あなたとくっつかなかったことなんてなかったでしょ?
もう……わかってるけど早く来てなんて、あなたってば心配性なんだから。
そういうところも可愛いんだけど、でもだーめ。今はまだその時じゃないの。
あと数分待ってね。愛しい愛しいあ・な・た!』
……っていうキッチンタイマーと冷蔵庫の恋愛もの考えたけどどう? 薄い本のネタになるかな!?
……え? 上級者すぎて上手く描けそうにない?
いやいやいや、全然上級者じゃないよ!
ほら、はなればなれになっちゃって、でも自分では動けないけど互いを愛し合ってる男女のお話だから普通の話じゃん!
……ってえ? なんで後ずさるの?
え、どこ行くの!? ちょ待ってよー! ねえってばー!
こうして見る分にはかわいいんだけどね……
そう思いながら私は友達のスマホに映る子猫を眺めていた。
友達はかなりの猫好きで三匹も飼っている。今見せてもらっている子猫は新しくお迎えした子だそうだ。
お世話とかエサとか大変そうだけど、それすらも楽しいみたいで毎日充実しているとSNSに呟いていた。
私は子供の頃猫に引っ掻かれたことがあって、それ以来猫が怖くなってしまった。
友達もそれをわかっているから私を家に呼んだりしないし、猫を連れてきたりしない。
写真を見せるのも子猫だけだ。
申し訳ないと思うと同時にマジありがたいとも思う。
成猫はやっぱりまだ怖いから。
……でも、申し訳ないけど猫の良し悪しなんてあんまりわかんないなあ……
丸まって寝ている子猫がいかにかわいいのか力説している友達に相槌を打ちながら、その寝姿がどう見ても毛玉というのは言ってはいけないことなのだろうか。
と考えていた。
風がサアッと吹いて、落ち葉と彼女の髪を巻き上げていく。
それがとても絵になっていて……僕の語彙力では言い尽くせないほど、綺麗だった。
舞い落ちてくる赤い葉っぱと、少し困ったように髪を整えている彼女。
ひらりと頭に落ちてきた葉っぱがまるで髪飾りみたいで、思わずかわいいと口をついて出てしまった。
すると彼女はちょっと照れたように笑ってありがとうと告げる。
……この些細な幸せがずっと続きますように。
そう願わずにはいられなかった。
また会いましょうなんて言葉、私にとっては叶わないも当然の言葉だ。
そう言ってさよならした友達みんな、ここ数年会ってないんだから。
だから私はもう言わないことにした。
別れの言葉はそれではさようなら。それだけで充分。