俺は雨が好きだ。しとしと降り注ぐ雨音で俺は起きた。そういや今はちょうど『梅雨』という時期らしい。妙に雨が降ると思ったがやはりか。

日中、久しぶりに外に出た。普段は夜型の生活なものだから、明るい外を見るのはいつ以来になるだろう。

なんだただのニートか、だって？　馬鹿にしてもらっちゃ困る。食って寝てまた起きて。生きてるだけで大概疲れるだろう。毎日生きてるやつはそれだけで偉いんだ。毎日暗い場所で殻にこもった生活をしていて何がいけない。お前らに迷惑をかけたかよ。

おっといけない、いつもの悪い癖だ。俺がのんびりな性格のせいで周りが生き急いで見える。たまにはのんびりしたらどうだ、俺はそう言いたいだけなんだ。

親子連れが道を歩いている。子供が水溜まりに勢いよく飛び込んだ。ああ言わんこっちゃない、服が汚れちゃった。子供は無邪気でいいもんだがもうちょっと落ち着きをだな。

ん、なんだ？　子供が俺を見て近付いてくる。
やんのかおら。嘘です。離せっ、離してくれ！




「見てママ、かたつむりっ！」