一生に一度は行ってみたいところがある。

沖縄のはて浜だったり、エベレストのテッペンだったり、海の底に沈んでしまったムー大陸だったり。
あげていけばキリのない、自分の知らない世界。
いつかは、行きたいと思っていたそこは、時間が経つにつれて段々と“行けない理由”が増えてくる。

今行きたい“そこ”は、来年には何の興味もわかないただの土地に成り代わってしまうかもしれない。
いつかは行きたい。だが。
“いつか” は待っていても来ない。

なら。

夢に想いを馳せて、色褪せてしまうくらいなら。

胸踊るこの瞬間に身を任せられる今なら。

それでこそ人生の有意義な時間というものじゃないだろうか。
俺はそう思いながら、鮮やかに輝く世界をタップする。

そう。
行かない理由なんて一つもないのだから。


まだ見ぬ世界へ！

最後に聞こえる音はなんだろう。
心臓の音？誰かが泣く音？それとも自分の呼吸音？
ぼんやりと考えて、やめる。
未来の事を考えたところできっと答えは分からないから。
でも。もし願望が叶うのなら。
俺はあなたの声がいい。
あなたの音で、眠りにつきたい。
そんなわがままを言ったらあなたは許してくれるだろうか。
あなたの音を聞きながら今日もあなたの隣で眠りにつく。

最後の声