あぁ...いきなり降ってきたよ...
あっ!マスターこんばんは!
...そうなんです!
仕事終わってコーヒー飲みに行こうとしたら急に...
少し濡れたけどウィンドブレーカー羽織っていたから何とか!
...ありがとうございます!
ではお言葉に甘えて小止みになるまで...
あっ...ハイ!
いつもので大丈夫です!
そしたら今日は...
どの席にしようかな?
...あ
あの席...空いている
3か月前...
あのヒトが座っていた
黒のビジネスバッグと手付かずのブラックコーヒー
ずっとノートパソコンのディスプレイと睨めっこしながらブラインドタッチしていた
丁度わたしの席とあのヒトの席
通路挟んでいたから...
その様子
そっと観ていた
スーツ姿がカッコよくて
イケメンでタイプだなぁって
ちょっとドキドキした
そしたら...
あのヒトのスマートフォンがピロンと鳴って
少し操作した後...
表情が一変して
慌てた様子でパソコン片付けてコーヒーひと口飲んで
伝票とバッグ持って
レジに向かって行ったけど
ソファに大きな封筒が置いたまま
"あっ!大変だ"
会計を済ませて急いで店を出ようとしていた...
あのヒトに声を掛けた
"あの!封筒忘れていますよ"
一瞬"えっ"という顔をしながら振り向いて...
"あっ!すみません!会社で急なトラブルがあって直ぐ戻らなくてはいけなくなって...大事な書類だったんです!助かりました...ありがとうございます"
その束の間に見せた表情が...
とってもステキだった
そしてあのヒトは軽く会釈して...
爽やかに片手を挙げてタクシーを止めて
あっという間に姿が見えなくなった...
1分も話していないけど...
言葉を交わす事が出来て良かったなって
そしたら...
その一部始終を見ていたマスターが
"今日のコーヒーご馳走するよ!あのお客様に代わってね"
ニコッとしながら
あのヒトが座っていたテーブル席の片付けに向かっていったっけ...
...あっ!
いつもの《砂糖抜きカフェオレ》
ありがとうございます!
えっ?
ハイ今日は...この席に座っちゃいました!
...えぇ?あのヒトとデート?!
そんな訳...無いじゃないですか!
ずっとボッチだし...
なにしろ一度しか逢っていない見ず知らずのビジネスマンなんですから...
あ!そうだ!
ところでマスター!
そろそろ教えてくださいよー
お店《CAFÉ Love you》の名前の由来...
あっ!ドアの鐘の音!
"ハッハッ...残念だったね!エピソードはいずれまた"
だって!
悔しいなぁ...
タイミングが合わな...
...
え...
...あの
ホントに...?
あっ...そんな...
書類...とんでもないです
良かったです...
その...
あなたに...
また逢えて
あっ!
急になんか...すみません
こんな事...聴いてしまって氣を悪くされるかも知れないんですけど...
えっと...
あなた様は...その
パートナーさんとか...
いらっしゃいますか?
あっ...ボッチ...
わたしと同じだ...
えっ?
探していた...わたしを?
...あの
わたしも...
探していました
あなたの事
弱くて頑固で嘘つき
だから
強くて優しくて謙虚
じゃない
闇夜のようなヒト
だし
太陽のようなヒト
でも無い
って
あなたは言うけれど
自分自身の中に
抱えているモノ
その全てを見せてくれている
あなたは
太陽のように
強く眩しい
えー
このたび当出版社から...
なんと!
マニアックな言動・行動から界隈では"奇人妙人宇宙人"と呼ばれている御大・hinatane先生が執筆されたエッセイ《0からのソラ》が出版される運びとなった!
これは業界内として非常に名誉な事である!
...ということで!
出版記念としてhinatane先生をお招きして握手サイン会と併せてグッズ販売をすることとなった!
先生は作家でありながら画家・デザイナー・即興ピアニスト・ラジオDJ・そしてボランティアとして執筆の合間を縫い居住地のヤクショと連携して市民の生活悩み相談員・ゴミ拾い活動等々多方面に渡ってクリエイティブ且つアクティブに御活躍されている!
ただ!
hinatane先生が特に大切している"ファンの声"
とある某出版社で開いたイベントでのことなのだが...
"hinatane先生の直筆サイン貰えて嬉しかったけど別ブースで先生のグッズ買ったらスタッフの人が《ボンボンボン!!!》って入れながらレジ打ちしていたのが凄く悲しかった😭作品達が可哀想😤先生サインや握手対応で氣づいていなかったみたいだから後で公式SNSのDM宛送った💪"
"事前に限定グッズ取り置きしてもらっていて夕方受け取りに行ったらBBAが《○○さん来ましたー》って言って品物保管している場所に引っ込んで持ってきてくれたけど普通《○○様いらっしゃいました》だよね?接客業しているワタシからしたら先ず有り得ないんだけど?どうなってんの笑"
"会計する時にスタッフのオネーサンが《持って帰る袋はありますか》って言ってきたんだけど何だか違和感感じた...《お持ち帰りの袋はございますか》とか《マイバッグお持ちでしょうか》とか《袋は如何されますか》とか...いつも行く店ではそう言ってくれるんだけど...これイベントに来た人達もこんな対応だったのかな"
その声の数々を聴いたhinatane先生は問答無用で某出版社との取引解除!作品も自主回収!DMを送ってくれたファンの方々の元へ直接謝罪へ赴いたという業界では知らない人はいない伝説のエピソード!
先生は普段は温和で知的でユーモア溢れる人柄だが...
"ゼロかヒャク"
"クロかシロ"
...という内面をお持ちである
当スタッフの皆は重々その事を理解しているし...
わたしも肝に銘じファンの方々や先生に対して失礼の無いようイベント成功に向けしっかり情報の共有・準備をしていこう!
先生は当出版社に対し"信頼しています"と述べてくれている
その声を裏切らないよう出版社一丸となってベストを尽くし前へ進もう!
では本日のミーティングはこれにて解散!
お疲れ様...遅くまでありがとう!
♫ピロピロピロォ〜
いらっしゃいませぇー
いつでもニコニコンビニ"ひなたねマート"へ、ヨウコソぉー
お客様ぁー
ポイントカードはお持ちですかぁー?
あ、失礼いたしましたぁー
それではアプリお持ちですかぁー?
あ、かしこまりましたぁー
お客様ぁー
今日から始まったぁー
ひなたねマートのスペシャル商品が入荷しておりますぅー
まずはコチラぁー
商品ナンバーわんー
《愛情》ぉー
誰しもが大好きなヒトだけに愛されたいぃー
だけどぉー
ヒトを愛することもぉー
ステキなことだと思うぅー
続いてぇー
商品ナンバーつぅー
《感情》ぉー
心躍るウキウキ、ドキドキ、ワクワクぅー
だけどぉー
心騒めくザワザワ、ハラハラ、ガッカリぃー
その全ての感情をジャッジしないことが大切だと思うぅー
最後にぃー
商品ナンバーすりぃー
《同情》ぉー
ワタシ哀れで惨めで可哀想なのぉー
だけどぉー
アナタはホントは氣づいているぅー
それをすればする程ますます心が寂しく虚しくなっていくだけだってぇー
でもねぇー
なかなか止められないよねぇー
よく解るぅー
アタシも同じぃー
あぁー
アタシったらぁー
お客様に対してタメグチしちゃったぁー
ごめんなさいぃー
店長に説教されるぅー
それではぁー
お客様ぁー
どちらの商品に致しますかぁー?
えぇー?
"どれにするか迷うから少し考える"ぅー
はぁーいぃー
かしこまりましたぁー
またの御来店お待ちしておりますぅー
ありがとうございましたぁー
♫ピロピロピロォ〜
落ち葉さん!おはよう
...枯葉さん
冷え込みも厳しくなって...そろそろ雪が降るかな?
うん...そうだね
...落ち葉さん?
...
元氣ないね...何かあった?
枯葉さん...
ん?
...枯葉さんは強いね
えっ?
だって...
...
枯葉さんは...もうすぐ居なくなるっていうのに
...
そして...
...
そんな自身も...
...
もうすぐ枯葉さんのようになって...
...
この世から...消えてしまう
...
だから...
...
枯葉さんが羨ましいな...って
...
運命をしっかり受け止められる...
...
強さ
...
自身は...
...
怖くて怖くて...
...
枯葉なんかに...
...
なりたくない
...落ち葉さん
...
ほんとうは...
...
とっても怖いんだ
えっ?
そこから逃げたくて...ワザと元氣に振る舞っている
...
そうでもしないと...
...
不安に駆られてしまって
...
でも...
...
沢山の枯葉の仲間たちが待っていると思うと...
...
自身だけじゃないんだ...って
...
だから...
...
どうせなら...最期は明るく居たいなって
...枯葉さん
...
ごめんね
えっ?
モヤモヤを...枯葉さんにぶつけてしまって
...
不安なのは...自身だけじゃないのに
...いいんだよ
枯葉さん...
氣にしていないから...落ち葉さんも氣にしないで
...うん!そして
ん?
おはよう!
えっ?
あ...さっき枯葉さんが挨拶してくれたのに
...
"おはよう"って返せなかったから
落ち葉さん...
...ハハっ
良かった...元氣になってくれて...あっ!
...枯葉さん!
...
自身ももうすぐ...
...
覆い被さっている木の実とともに...
...
枯葉さんのように...枯れていく
...
怖いけど...
...
さっきまでの恐怖ほどは感じない
...
強風が枯葉さんを一瞬で連れて行ってしまったけど...
...
恐怖という名の幻想も...
...
枯葉さんが強風と一緒に連れて行ってくれたから