NoName

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12/10/2022, 3:20:04 AM

手を繋いで歩いた通学路。
手を繋いで走った宝探し。
私達はいつだって横並び。
君が右手で私が左手。
繋いだ手を片時も離さず夢を追っていた。

けれど、どうしてだろう。
いつの日からか私の左手はからっぽで、隣を見ても君の姿はいなかった。

そうだ、君は、空高く羽ばたいていったんだ。
その両翼を大きく広げて。
どれだけ手を伸ばしても、空振るばかり。

私の隣に君はいない。
君の隣に私はいない。

掌にあるいつかの温もりを虚しく思い出している。