もう少しで夏休みが終わります
終わって欲しくないなぁと思いながら
窓を眺めていました
学校なんて行きたくない
あんなところに行ったとて
私の世界や見聞が変化することはない
カッター ロープ 睡眠薬 ...
たくさんのものが部屋でキラキラ輝いている
夏が終わってしまうくらいなら
私が終わってしまえばいいんだ
紙に文字を綴って
私は今日を生きていた
クラスの人が苦手です
毒々しい縄張りを各々張っていて
鋭い目つきでこちらを見つめてる
でもそんな中君たちだけは
やわい糸でハンモックのような
居心地のいい環境で過ごしていた
吸い付くように君たちの元に行った
でもあと少しのところで届かなかった
腕を伸ばした
指を伸ばした
爪の先まで意識を巡らせて
届け
届け
届け
何回も願った
そんな僕を見つけた君たちは
そっと手を掴んだ
フワッと身体が浮かんだ
心も軽くなったような気がした
何かが僕の身体から溶けだして
逃げていったような気がした
冷たくて甘くて美味しいアイスが食べたい気分だった
「あなたのためだから」
「あなたを思ってこんなことを言ってるの」
「あなたの事を応援しているから...」
なんて綺麗事ばかり言われて
大人を信じれなくなった
これが優しさなら
親切心なら
全てを否定された私は
とんでもない悪なんだろうな
朝ごはんの後に
床の上でブランケットをかけながら
窓の外を眺める
マンションのベランダの枠に切り取られた青空は
とても綺麗で
自分の身体が腐敗しているような感覚に陥った
あの綺麗な青空が見える方向へ
私は進んで行きたいと思った
僕ら4人にはそれぞれ
春 夏 秋 冬の文字が入っていた
でもある時みんなバラバラになってしまった
頭が良く進学校に通う春
夢を叶えるために別の県に行く夏
運動が得意で推薦で入学した秋
そして家の近くの高校に行く僕
もう話すことは無いのだろうと思っていた
高校を卒業するにあたって
一人暮らしをしないといけないから
荷物をまとめて大学の近くに借りたアパートに
住むことになった
あれから数年がたち僕は立派な社会人になった
久々に実家に帰るかと思い立ち
新幹線に飛び乗った
家に着くと2人分多い靴があった
「おひさ」
「元気してた?」
春と秋は元気そうだった
『夏もいればなぁ』
ふとこぼれた独り言を聞いた2人は
「「あいつならもう少しで来るぞ」」とハモった
ガチャ
「みんな揃ってんじゃん」
と丁度良く夏が来た
「「『おかえり、夏』」」