君の背中を追ってここまでやってきた
君の家から遠く離れた地にある山の奥深く
頑張って頑張ってやっと見つけた
3年くらいかかったのかな
こんな姿になって...
一体何をしたの?
僕だって覚悟してきたけれど
こんなになってるとは思わなかったよ笑
もう君から離れたくないんだ
これからも一緒だよ
君の白骨化した背骨に指をそわせて君の隣に寝転んだ
君のことは好きなんだ
友達だから
だけどほんの少しだけイラッとしてしまう
友達の呼び名を覚えてくれてなくて
話が通じなかったり
話の途中で友達に話しかけに行ったり
口が軽くて何でもかんでも言ってしまったり...
君の嫌いなところなんていくらでもあげられる
でもそれと同じくらい好きなところもあげられる
こんな関係を友達と呼ぶのだろうなと思ったけど
その言動は改めてほしい
長かったテスト期間が終わり
テストの結果が返ってきた
赤点は回避したもののあまり良い結果ではなかった
平均よりは少し高い位の点数だった
でも大学進学をするためには
もう少し取らないといけない
なんだか心が折れてしまいそうで
泣きそうになりながら帰っていたら
突然雨が降ってきた
テストの点数に加えて雨が降ってくるなんて...
色々と心に溜まっていて限界だったのかもしれない
傘もささずに泣きながら歩いた
どうせ泣いてることなんてバレないし
バレても見なかったフリをする人が大半だろうから
学校から家までは少し距離があるから
1人でたくさん泣いた
頬につたった涙がかれてきた頃
ふと空を見ると雲の隙間から
綺麗な夕焼けが覗いていた
全神経を手元に集結させて
1ミリの狂いもないように手をそっと動かす
プチンと細い糸が切れた
ふぅー
大きく息を吐く
布のギリギリに縫われたタグを切るこの瞬間が
とてもドキドキして楽しい
届かないのはわかりきっているけど
素敵な人との出会いを求めて
自分の身長よりも高い位置にある本を取ろうとする
幼なじみにはバカにされているが
今のところ3人くらいは引っかかっている
全員好みのタイプじゃなかったから何もなかったけど
でも素敵な人を諦められないから
今日も手を伸ばしていた
『はいこれ 取りたかったんだろ?』
聞き覚えのある声がして私の取ろうとした本が
手元にやってきた
『俺じゃダメなの?』
漫画みたいなセリフを言っているが
生憎私のタイプではない
普通ならここでドキドキするんだろうが
私の心臓は一定の拍で仕事を全うしていた
「ごめん無理」
そう言って書店を後にした
明日から別の方法で探すしかないな