コウ

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7/12/2023, 3:22:04 AM

「突然だけど、今日会えない?」
平穏な日常に突然送られてきた一件のLINE。
その宛先は---元恋人からだった。
「はあ……」
マリアナ海溝よりも深い深いため息をついて、その文面を見る。
これが私の友達とかだったら胸を弾ませながら会いに行ったはずなのだが、思い出したくもない名前だったので、胸がひどく重い。
概ね別れて寂しいとか、やりなそうだのそんなノリなんだろう。
人の気も知ったこっちゃない。

お前のそういうところが嫌いなんだよ---と指先に力を込めながら、LINEのブロックボタンを押した。

7/11/2023, 3:28:25 AM

目を覚ます。
酔狂な微睡の中から、現実へと引き戻される。
その時、私は初めてあの出来事が夢だということに気がつくのだ。
不思議なものだ。よくよく考えてみるとあり得ない事実ばかりなのに、あの時の私はそれら全てを事実だと認識していたのだ。
家族も妻も、此処には居ないのに。

7/10/2023, 3:35:23 AM

私の当たり前

人に迷惑をかけない。
人を不快にさせない。
人を怒らせない。
人を失望させない。
人を傷付けない。
人を殺さない。
人を悲しませ、人の心を壊さない。

……できているかどうかは、また別の話

7/9/2023, 3:23:14 AM

夜行電車の窓を覗き込む。
街の明かりが、遥か彼方に遠ざかる。
近年では開けている窓から吹き付ける夜風が心地よい反面、私はどこへ行くのだろうと思考を巡らせる。
「どこか遠くへ行こうよ」
そう言った友人の言葉が脳内を駆け巡る。
車はないので、電車で。
その友人は隣のベッドで静かな寝息を立てている。
日常の柵から外れた、当てのない旅。
期待と不安が綯交ぜになった顔を、電車の灯だけが照らしていた。

7/8/2023, 3:54:08 AM

短冊に、願い事を。
満天の星たちが、まるで大きな川になるように。
一年に一度、逢瀬を重ねる織姫と彦星のように。
その願いも、言霊となりて願いを叶えるであろう。

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