蝶って不思議な存在だ。
虫って見た目グロテスクだし嫌いな人も多いのに、蝶だったら好きな人が多い。
無害だし見事な見た目とかがあるのかな。意外と足見たらおんなじなんだけどな。
ふわふわとしたモンシロチョウが、タンポポの花の周りを舞っている。
今日も平和で穏やかな日だ。
忘れられないことがある。
それはいつだったか、春から夏にかけてのことだった気がする。
当時小学生だった私は、周りに馴染めず浮いていた。
見た目も気にせず服のセンスも悪いし、隅っこで絵を描くのだけが大好きな暗い子だった。
男子にはバカにされたし、しょっちゅう先生のもとで泣いていた。
だけど、その時に妙に仲が良かった子がいる。
その子も私と同じように浮いていた子で、今思うとなんで一緒にいたのかわかんないような子だったけど、仲良く絵を描いたり、ゲームしていたような気がする。
ある日、その子が転校することになった。
今思うとその子はわりと家庭に問題のある感じで、まあなんか色々と訳アリな転校だった。
でも私は嫌だった。また一緒にゲームしたい。また遊びたいという想いもあったが、母からはあまり触れないでほしいと言われ、結局最後のお別れの時も何もできなかった。
私はあの時の後悔が少し残っている。ありきたりだけど、これが私の忘れられない思い出。
そしてネットが跋扈してるこの時代に、少し彼女のことを調べてみた。
mi◯iの身内向けページに一個だけあったアイコンの写真。
懐かしさに目が潤むが、彼女の見た目はすっかり変わってしまっていたようだった。
会いたい気もするけど、思い出は思い出のままでいても良いのかな、という想いも少しある。
一年もたったら、何か変わってるのかな。
今から一年前のことのことを思い返しても、変わったなって思うことは多少はあるから、多分一年後も何かしらは変わっているとは思う。
まあでも実感はできないよね。
初めての味は、甘酸っぱかった。
とろけるような甘さではなく、少し酸味の残る爽やかな甘さ。
記念日とか特別な時にしか貰えないそれは、私にいつもと違う衝撃をいつも与えてくれた。
初恋?確かにそうかもしれないね。
軒先で苺のショートケーキを見た時に、記念日に親に買ってもらった時を思い出す。
明日世界がなくなるとしたら
大好きないつもの夕飯と
ほんの少しのお酒を持って
大好きな人といつも通り過ごしたあと、一緒にその先の世界を見届けよう。