朝早い、しんとした教室
誰もいない、私だけの世界
他の生徒が来るまでのわずかな時間
謎の万能感に満たされるこの時間が
学校に通う理由の一つになったってかまわないだろう

『誰もいない教室』

交差点に立つのっぽのほうか

最近よく聞くツートントンか

文字だけだと想像が広がります

『信号』

口に出したら本当になりそうだから
本当のお別れになりそうだから
二度と思い出せなくなりそうで怖かったから
心の中だけで唱えた「バイバイ」

『言い出せなかった「」』

教室の隅から眺めるだけ
眺めるだけでいいの
臆病者にはそれ以上望めない

『secret love』

ゆっくりと、

続きが気になって、

一枚一枚丁寧に、

味わうように、

噛み締めるように、

勢い込んで、

呼吸を忘れて、

寝る間も惜しんで、

心が揺れ動いたまま、

主人公の未来を祈りながら、

『ページをめくる』