山百合

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9/29/2024, 2:47:37 PM

・1『静寂に包まれた部屋』

帰ってきたら誰もいなかった。
飼っている猫もいなかった。
おかんはどこいったんだ?

【続く】

9/29/2024, 12:10:01 AM

・5『別れ際に』

「いいから帰んなさい」
と少年に言った。少年は勢いよく駆け出したかと思うと
イチョウの葉を集めて寝転がっている私の上にかけた。

どーゆー意味があるのだろう……?

「風邪ひかないでね!」
そう言ってまた勢いよく駆けていった。

「ユーレイだから平気だよ!ありがとうー!」

イチョウの葉から私を責める声は一つも聞こえず
私は安心して目を瞑った。

【終わり】

9/28/2024, 8:16:17 AM

・5『通り雨』

イチョウの葉の上で寝転んでいると
少年に声をかけられた
「何してるの?」

「幽霊に声なんてかけちゃいけないよ」

少年にはやはり見えてるらしい
「もうすぐ雨降るよ!」

そうは言ってもここから離れられないのだ。
少年はうちに一緒に帰ろうと申し出てくれた。
でもなあ……まんまと(憑いて)行っていいんだろうか?

雨が降ってきた。

【続く】

9/26/2024, 2:19:27 PM

・4『秋🍁』

幽霊の私でも季節を感じる。
涼しくなったのだ。

ジャングルの上にいた少年はあれからも時々目が合う。
怖い思いをしていないといいが。
特に表情はよくわからない。反応がないのだ。
こわいなら近づかないのだが私はこのあたり30メートル四方しかうごけない。つまり公園をぐるっとするくらい。
彼は公園に来るのでまあ怖がられてはないのだろう。

イチョウの葉が落ちる。誰も気に留めないので葉っぱの上で横になる。
そうして耳を澄ますとまた自分を責める声が聞こえるのだ

【続く】

9/25/2024, 7:22:04 AM

・2、3
『ジャングルジム、形の無いもの』

市の職員が公園の遊具の安全性を確かめに来ていた。
じゃぶじゃぶ池の試運転も行っていた。
夏になれば子どもたちで賑やかになるだろう。

ジャングルジムの上に子供がまたがっている
眩しくてよく見えないけど明らかに私を見ている。

幽霊の私を

【続く】

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