山百合

Open App
9/17/2024, 5:56:17 AM

・2『空が泣く』

母の遺影の前に切った小玉すいかを置く。

俺と親父どのも頂く。

「おいしいねぇー」と親父が言う

早く帰ってきて良かった。夕立ちがきそうだ。
洗濯物を取り込もうとした時ちょうど雨が降ってきた。

【終わり】

9/15/2024, 1:38:22 PM

・1『君からのLINE』


【ふふふふすふすふるるふ

ぬぬぬくくぬふふる】


父からのLINE。
多分無自覚。


おーい、おやじ。。
なんか触ってるぞ。

【ごめんね
間違いたみたい】

【こだまのすいかかむってきてくれる?】

小玉のすいかを買えばいいの?

【そう】

オッケー

俺は八百屋に寄ることにした。

【続く】

9/14/2024, 2:03:37 PM

・3『命が燃え尽きるまで』

「その恋は貴方の身を滅ぼすでしょう……」
妻は続けた
「助かりたいですか?」

占い師さん、僕はどうすればいいですか
「妻を大事になさい。アイスを買ったり、エアコンや換気扇の掃除をして、たまにケーキを買うのです……」

わかりました。その通りにします。
私は妻にハーゲンダッツを渡した。

僕はこの人の夫で良かった。ずっと一緒に暮らしていこう。

【終わり】

9/12/2024, 11:22:51 AM

・1『カレンダー』

カレンダーの裏に妻が落書きをしていた。
いつもいらない紙やコピー紙で落書きをする人だ。
カレンダーの裏には『占いはじめました』の文字と
水晶玉を覗く女の絵が描いてあった

【続く】

・2『本気の恋』

私は占ってください。と妻に言ってみた
妻は卓上時計を水晶玉に見立てて「見えます……」とやってみせた。
「あなたは本気の恋をしていますね」

【続く】

9/11/2024, 4:45:08 AM

・6『喪失感』

大切なものを作らなければ失った時に悲しまなくて済む。
期待しなければガッカリすることもない。
私はもう学んだ。

神様の子供になりたい。それが叶わないなら
『今の』父親から離れればいいんだ。
私は決心した。

私の染めたハンカチは恥ずかしいと言われ
父親の車のメンテナンスでオイルを吸うのに使われた。

悲しくない。
私は母を探さない。
父を持たない。

大丈夫。生きていける。
私は私を信じる。

【終わり】


Next